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Cohere、LLM「Command R」シリーズに構造化データとして回答を返すなどの新機能を追加

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 カナダCohereは、同社が提供している大規模言語モデル(LLM)「Command R」と「Command R+」に新機能を追加したと8月30日に発表した。Command RとCommand R+は、Cohereが自社でサービスを提供しているほか、米Amazon Web Servicesの機械学習環境「Amazon Sagemaker」でも利用できる。そしてCohereのLLMは、日本語のほか108種類の言語に対応している。

 今回加わった主な機能は2つ。1つ目は、問い合わせに対する結果を、ユーザーが指定した形式で出力させることができるようになった。ユーザーがJSONで形式を指定すると、指定通りの形式のJSONで回答を返す。これで、回答を構造化データで得ることが可能になり、その後に他のプログラムで処理したり、データベースにデータを格納するなどの作業を自動化できるようになる。

 2つ目は「Safety Mode」だ。ただし、当面の間はベータ版として提供する。この機能は、公序良俗に反する言葉を使わずに、回答を生成させる機能だ。制限の度合いに応じて「Strict」と「Contextual」の2つのモードを用意した。Strictは最も厳しい制限をかけるモードであり、Cohereは企業が問い合わに応じるチャットボットなどを用意する際に、このモードを使うことを薦めている。

 Contextualは制限を緩和したモードであり、このモードが標準設定となっている。相手を傷つける表現や、不法行為をそそのかすような表現を抑制しながら、性的な表現や暴力的な表現、医療、金融、法律などの情報なども出力する。そして、Command RとCommand R+の特長である「Retrieval-Augmented Generation(RAG:検索拡張生成)」機能も利用できる。

 RAG(検索拡張生成)とは、ユーザーからの問い合わせに対し、Web検索で得た情報や、ユーザーが問い合わせに合わせて提供した文書なども参照して回答を生成する機能。回答する際には参照元も合わせて提示する。この機能によって、LLMで問題になっている幻覚の発生を極力抑えている。

 ちなみにCohereは、富士通と提携して日本語能力をさらに高めた企業向けLLMを共同で開発することと、富士通がCohereに出資することを2024年7月に発表している。

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