Microsoft、Azure Arcにおける新たなインフラストラクチャオプション「Azure Local」の提供を開始

　米Microsoftは、データセンタ間、エッジ、マルチクラウド環境で柔軟に実行できるアプリケーションとサービスの構築に役立つ「Auzre Arc」において、新たなインフラストラクチャオプションである、「Azure Local」の提供を、11月19日（現地時間）に開始した。

　Azure Localによって、Azure PotalとAPIを使用した展開、構成、更新、監視といったライフサイクル操作が可能になり、物理マシンをクラウドリソースのように扱える。個別のローカル管理ツールが不要になるため、クラウドリソースと分散した場所全体で、より統一されたアプローチができるようになる。

　Azure Localは、1台または複数台のマシンをAzure Arcに接続するだけで使用の開始が可能で、Azure Potalの簡単なワークフローに従ってAzure Localインスタンスを作成する。必要に応じて、クラスタ、ネットワーク、ストレージをカスタマイズでき、Azure LocalソフトウェアはAzure Arc拡張機能としてパッケージ化されているため、マシンにシームレスにインストールされる。スケールアウトするには、分散場所ごとに一意のパラメータを使って繰り返し再利用が可能なAzure Resource Manager（ARM）テンプレートで、Azure Local構成を定義する。

　Azure Localにおけるソフトウェア更新プログラムは、完全なインフラストラクチャソフトウェアスタックに加えて、PremierソリューションのドライバやファームウェアといったOEMコンテンツをカバーする、単一の月次パッケージにまとめられている。Azure Update Managerによって、他のクラウドリソースとともにAzure Local更新プログラムを直接表示および管理でき、1つまたは複数のAzure Localインスタンスを選んで、数回クリックするだけで更新プログラムの適用が可能になる。また、バックグラウンドでは、Azure Localがワークロードの移動とそれぞれの物理マシンの更新順序を調整して、マルチノードでの更新が中断されないようにする。

　さらに、Azure LocalはAzure Monitorとネイティブに統合されており、Azure Arcによるクラウドリソースと分散場所全体の統合監視を実現し、分散VM、Kubernetesクラスタ、物理インフラストラクチャを1つの画面から管理できる。50を超える標準メトリクス、直ちに使用可能なInsightダッシュボード、インフラストラクチャスタック用のアラートルールが付属している。

　Azure Localには、すべてのアプリケーション、VMとコンテナ、WindowsやLinuxを同じ物理インフラストラクチャで並行して実行するために必要な、基本的なAzureコンピューティング、ネットワーク、ストレージ、Kubernetesサービスが含まれる。

　Azure Localでは、アプリケーションの要件を満たすべく、柔軟なサイズ設定と構成オプションを備えた汎用VMを提供する。必要な仕様、ネットワーク、ストレージを指定して独自のカスタムVMイメージを使用できるほか、Azure MarketplaceからVMイメージにアクセス可能となっている。マルチノードの場合、VMはリアルタイムのストレージレプリケーションと自動フェイルオーバーによって高可用性を実現する。

　そのほか、Azure Localの新しいインスタンスごとに自動でセットアップされて、Azure Localの一部として自動更新され、Azure Localのストレージドライバや、LinuxとWindowsの両方でMicrosoftがサポートするコンテナホストイメージといった、Kubernetesベースのアプリケーションをサポートするために必要なものすべてが含まれるAzure Kubernetes Service（AKS）が付属している。