米Akamai Technologiesは、セキュリティとクラウドにおけるトレンド予測を1月10日に発表した。
同予測によれば、2025年は企業がAIをどのように取り入れるかにおいて、大きな転換点を迎えるという。多くの企業がAIへの投資を大幅に増やす準備を進めており、爆発的なイノベーションの舞台が整いつつあることから、2028年までにAI技術に対して1100億ドル超が投資されるとみている。
あわせて、2025年はディープフェイク、標的型詐欺、ソーシャル・エンジニアリングといったツールや技術を、一般のサイバー犯罪者が容易に利用できるようになる年になると予測する。メール、テキスト、電話、ビデオ通話といった、あらゆる形態のやり取りにおいて、偽物と詐欺への警戒を求めた。
大規模言語モデル(LLM)への期待は、セキュリティの脆弱性が表面化するにつれて厳しい現実のチェックに直面するとみており、LLMは攻撃者にとって重要なアタックサーフェスであり、これらの脆弱性の性質とロケーションはますます明らかになると指摘する。リスクが明らかになるにつれて、企業はLLMの有望性と潜在的なセキュリティの落とし穴を比較検討すべく、AI戦略においてより慎重なアプローチをとるようになるとみている。
さらに2025年以降は、AIシステムの保護とAI主導の攻撃に対する防御が、ますます重視されるようになると予測する。
分散コンピューティングに関しては、2025年までに過剰なクラウドインフラに対するソリューションとして台頭するとみており、AI、空間コンピューティング、スマート都市インフラといったテクノロジがより多くのリソースを要求するようになるにつれ、柔軟性に欠ける集中型モデルから動的な分散型アーキテクチャへと移行するだろう、との予測を示した。この変革によって、企業や組織のプラットフォーム・エンジニアリング・チームは、ユーザーのロケーション、リソース・コスト、コンプライアンス・ニーズ、持続可能性の目標に合わせてプロセスを戦略的に調整して、これまでにない効率性と適応性の発揮が可能になると予測する。
また、2025年はAIが実用的な洞察を生成する際に利用される推論(inference)フェーズの最適化を優先するようになり、業務を合理化してスピードと精度を高めるとみている。
一方、ChatGPTをはじめとするAIチャットボットは、2025年までに単なるメニューの案内だけでなく、簡単なタスクを実行できる基本的なAIエージェントに発展すると予測する。
小規模言語モデル(SLM)は、2025年までに企業の間で大きな支持を得るとみられており、ハイエンドGPUへの依存を減らしつつ、個々のニーズに合わせた洞察を提供可能なSLMは、大規模な言語モデルを効率的に活用して自社の製品やサービスを強化したいと考えている企業にとっても、魅力的な選択肢となる。さらに、データ・プライバシへの関心が高まるにつれて、企業はオンプレミスに適したSLMを採用するようになり、機密情報の保護が容易になると見込まれる。SLMのモジュール設計と拡張性によって、特定の要件に合わせてモデルをカスタマイズできるようになり、変化するビジネス・ニーズへのシームレスな対応が可能になるとの予測を示した。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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