Anthropicは5月22日(現地時間)、自社のAnthropic APIにおいて、AIエージェント構築を強化するための4つの新機能を発表した。対象となるのは、コード実行ツール、MCPコネクタ、Files API、最大1時間までのプロンプトキャッシュ保持。

新たに提供されるコード実行ツールは、ClaudeがPythonコードを安全なサンドボックス環境で実行できるようにするもの。これにより、従来のコード生成支援から一歩進み、API内でデータ分析や可視化、データセットのクレンジングやパターン抽出までを一貫して実行できる。適用例としては金融モデリングやシミュレーション、業務レポート自動化、統計解析などが挙げられている。利用枠として1日あたり50時間の無料利用が提供され、それ以上は1時間ごとに0.05ドルの料金が発生する。
MCPコネクタは、Model Context Protocol(MCP)サーバーへの接続をAPIから直接行えるようにした。これにより、外部のMCPサーバー(例:AsanaやZapier)への連携やツール拡張が容易になった。以前は個別のクライアント実装が必要だったが、自動で接続、機能の発見、認証・エラー処理まで一元的に対応する。
Files APIはファイル操作の効率化を担い、1度アップロードしたファイルをセッションをまたいで再利用可能とした。これにより知識ベースや技術文書などを繰り返し活用しやすくなる。また、コード実行ツールとも連携し、アップロード済みファイルを分析対象としたり、生成したグラフ等のファイルをレスポンスに含めることができる。
プロンプトキャッシュについては、従来の5分保持に加え、最大1時間まで拡張できるオプションが追加された。これによってコスト削減(最大90%)や遅延削減(最大85%)が期待でき、長時間にわたるエージェントワークフローも現実的な運用が可能となった。
これらの新機能はいずれもパブリックベータとして即日利用可能であり、開発者は公式ドキュメントから詳細な仕様を確認できる。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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