ラクスパートナーズは、ITエンジニアを対象に実施した、「生成AI普及によるエンジニアの意識変化」に関する調査の結果を5月29日に発表した。同調査は、5月14日〜15日の期間に行われ、1007名から回答を得ている。
調査対象者に、生成AIの業務における使用頻度を尋ねたところ、「ほぼ毎日」が31.1%、「週に数回」が40.5%、「月に数回」13.6%となり、週に1回以上の利用が7割超を占めた。

業務において生成AIを月に数回以上使っている人に、生成AIをおもにどのような業務で使っているかを尋ねた質問では、頻繁に使用している業務としては「情報収集・リサーチ」がもっとも多く、時々使用している業務では「ドキュメント作成」「コード作成」が半数超に達している。一方で、「デバッグ支援・テスト」や「セキュリティ診断」をまったく使用していないという回答が2割超に達した。

生成AIを業務で使用するようになって、仕事の楽しさややりがいにどのような変化があったかを尋ねたところ、「効率化が進みやりがいある仕事に注力しやすくなった」(50.4%)がもっとも多く、以下「新しい学びや発見が増えて楽しくなった」(23.1%)、「特に変化はない」(22.8%)が続いている。生成AIに任せられないと思う業務としては(複数回答)、「チームマネジメント」(34.5%)、「要件定義/企画」(29.3%)、「テスト」(28.5%)が上位を占めた。

生成AIの普及によって、今後の自身のキャリアに不安を感じているかを尋ねた質問では、「とても感じる」が16.6%、「やや感じる」が46.6%となった。不安を感じている理由としては、「生成AIの知識がないと、時代の最先端についていけないと感じたから」「自分の仕事が確認修正ばかりで作成は減りつつあるから」「自分のやっている業務の8割ぐらいはAIが行えるため」といった声が寄せられた。一方、不安を感じないという人からは「マネジメントの分野はまだ人間が必要だと思うから」「自分の付加価値を考える機会だと思っているため」「現在担当している業務は顧客サポートであり、まだAIに置き換わるものではないと考えているから」といった意見も寄せられている。

生成AIの登場によって、必要なスキルは変わると思うかを尋ねたところ、「大きく変わる」(32.0%)と「多少変わる」(53.4%)を合わせた割合が8割超に達した。必要なスキルは変わると思う理由としては、「これまでのスキルでは太刀打ちできないくらい、高いスキルが必要になってくると思います」「AIを正しく使う能力が必要」「判断力がさらに重要になるから」といった声が寄せられている。

今後生成AIが普及する中で、エンジニアにとってもっとも重要だと思う知識やスキルを尋ねた質問では、「生成AI活用力(プロンプト設計含む)・問いの深さ」(23.0%)が最多となり、「設計・アーキテクチャ力」(19.6%)、「ユーザー目線で判断する力」(15.2%)がそれに続いた。

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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