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翔泳社の本(AD)

「使われないシステム」はなぜ生まれるのか? 現場と開発のすれ違いを防ぐ、要件定義のメカニズム

 「要件通りに作ったはずなのに、現場で全然使われていない……」。システム開発に関わる人なら、一度は直面したことがある恐ろしい事態です。今回は、松本均さんの著書『要件定義の極意 「機能不全」「予算超過」「遅延」を防ぐ20のルール』(翔泳社)から、システムが「機能不全」に陥るメカニズムを解説します。ある業務システム刷新プロジェクトの生々しい失敗事例を紐解きながら、要件定義でなぜすれ違いが起きるのか、どうすれば「使えないシステム」を未然に防げるのかがわかります。

 本記事は『要件定義の極意 「機能不全」「予算超過」「遅延」を防ぐ20のルール』(著者:松本 均)の「第2部 『機能不全』を防ぐ極意」から一部を抜粋したものです。掲載にあたって編集しています。

要件定義の極意 「機能不全」「予算超過」「遅延」を防ぐ20のルール
 

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要件定義の極意 「機能不全」「予算超過」「遅延」を防ぐ20のルール
 

著:松本 均
発売日:2026年04月15日(水)
定価:3,278円(本体2,980円+税10%)

本書について

本書は、要件定義を成功に導くためのノウハウを、20の実践ルールとして体系的に解説します。いずれのルールも、実際に起こった失敗とそれから得られた教訓をもとに導き出された「実務者のための原則」です。単なる理論でなく、現場で実践・応用していただくことを前提に、具体的な行動指針としてまとめています。

導入:なぜシステムが機能不全となるのか

 『このシステム、結局あまり使われていません』。みなさまもこれまで数え切れないほど現場で耳にしてきたのではないでしょうか。開発チームはまじめに要件を整理し、スケジュール通りに納品し、技術的なバグもなかった。それにもかかわらず、実際の業務では使われない。リリース直後から裏運用が生まれ、導入効果が曖昧になり、関係者の熱意も次第に失われていく。これが「機能不全」の典型的な末路です。

 この「機能不全」という状態は、不具合や動作不良を指すのではありません。技術的には正しく動作しているにもかかわらず、ユーザーにとって価値がなく、業務で実際に使われない、という状態を意味します。画面はモダンで、処理も正確。しかし、現場の業務に合っておらず、入力項目が多い、手戻りに対応できない、紙との二重入力が必要になる。こうした小さな違和感の積み重ねが、最終的に誰も使わないシステムを生み出してしまうのです。

 書籍『要件定義の極意 「機能不全」「予算超過」「遅延」を防ぐ20のルール』では、要件定義における代表的な失敗要因として、「沈黙とすれ違い」「担い手の不足」「判断の複雑化」という3つの構造的課題を整理しています。これらはすべて、機能不全が生まれる源流でもあります。

  • 沈黙とすれ違い:現場と開発側で認識が共有されず、合意形成が表面的に終わってしまう
  • 担い手の不足:業務と技術の橋渡しを担う人材が不在で、業務ニーズが正しく要件に落とし込まれない
  • 判断の複雑化:関係者が多すぎて責任の所在が曖昧になり、重要な意思決定が先送りされる

 ここからは、機能不全を防ぐために、現場視点に立脚した7つの実践的なルールを提示します。これらのルールは、現場で数々の失敗と成功を経験し、現場の声に耳を傾け、何度もやり直しを繰り返す中で体系化された再現性のある実践知です。7つのルールは、以下の3つの問題構造に対応しています。

表0-1 3つの問題構造と対応するルール
問題点 対応するRule Ruleの内容
(1)業務全体の視点が欠如 Rule1 業務フローを起点にする
Rule2 現場の声を直接取り入れる
(2)現場が理解できない設計 Rule3 「超具体的なユースケース」に落とし込む
Rule4 動くプロトタイプで具体化する
(3)現場の主体性の欠如 Rule5 要件の意思決定は確実に現場がする
Rule6 本質的に必要な機能に絞ってリリースする勇気を持つ
Rule7 開発経過を利用者と共有する

 これらはどれも、「業務に役立つものをつくる」という当たり前の目的に立ち返るための原則です。技術的な選定や開発手法の議論に先立ち、まずは現場の声を捉え、業務の流れを理解し、使われる未来を想像すること。それが、要件定義における本質であり、すべての成功の起点です。昨今では、DXやAI導入など、技術革新の波が一層加速しています。しかし、どれだけ技術が進化しても、使いやすいかどうかは、変わらず最も重要な判断基準です。現場で活用されないシステムは、どれだけ先進的な技術を使っていようと価値を生み出しません。

 今回は、使えないシステムを未然に防ぎ、真に業務に貢献するシステムをつくるための視点と手法を、失敗事例をもとに丁寧に解説していきます。現場と開発チームが、目的を共有し、ともにプロジェクトを成功に導くための道筋を、これから一緒に見ていきましょう。

次のページ
事例:ユーザーが使えないシステム

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

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※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://codezine.jp/article/detail/24428 2026/06/04 07:00

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