SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

生成AI時代のセキュリティ入門

AIエージェントの死角。「依存関係の脆弱性」と「サプライチェーン攻撃」からプロジェクトを守る方法

生成AI時代のセキュリティ入門 第3回

まとめ

 AIの提案を鵜呑みにすることで、脆弱なコンポーネント(A06)が持ち込まれ、サプライチェーン攻撃(A08)の経路が作られてしまうリスクを解説しました。

 しかし、ここで重要な視点があります。どちらの問題も今に始まったことではなく、従来から開発者が気をつけるべき基本的なことです。 誰でもコードが書ける時代になったからこそ、改めてこれらの基本原則が問われているのです。

 AIは、こうした人間側やプロセスの脆弱性を、そのスピードと利便性によって見えにくくし、増幅させてしまう「増幅器(アンプ)」にすぎません。根本的な原因は、AIに対する人間の過信にあります。

 コーディングエージェントの提案は、「信頼できる完成品」ではなく、「インターネットのどこかからコピーしてきた、安全性が未検証のコードスニペット」と同等に扱わなければなりません。

 さらに言えば、AIが生成したコードは「信頼できない外部からの入力」とみなし、受け入れ時にはすべてサニタイズ(無害化)するくらいの慎重な姿勢が求められます。開発者の責任は、AIが提案したコードのロジックをレビューするだけでなく、AIが提案した「依存関係」とその「整合性」まで含めて検証することにあるのです。

次回予告

 依存関係の管理やサプライチェーン攻撃手法は日々変化しており、アップデートされる脅威情報をキャッチし、自分のプロジェクトに適用していく継続的な取り組みが必要です。

 最終回となる第4回では、これまでの内容を踏まえ、AI時代の開発者に求められる新しいマインドセット「コーダーから監督者へ」という視点で、具体的な対策と心構えをお伝えします。

 開発現場で遭遇した落とし穴や、記事では伝えきれない実践的なTipsはSNSで共有しています。ぜひフォローしてください。

X:https://x.com/labelmake

YouTube:https://www.youtube.com/@kyohei_dev

 AIという強力なツールを安全に活用しながら、より価値のあるソフトウェアを世に送り出していきましょう。

この記事は参考になりましたか?

生成AI時代のセキュリティ入門連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

Kyohei Fukuda(キョウヘイ フクダ)

 広島県出身、東京在住のWebエンジニア。 国内IT企業数社でフロントエンド開発に従事した後、現在は外資IT企業でSolution Engineer兼Developer Advocateを務めている。OSSのPDF生成ライブラリ「pdfme」を開発し、関連する書類作成サービスを個人開発し運営。 JavaSc...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/22526 2025/12/11 11:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング