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Developers Summit FUKUOKA 2025 セッションレポート

生成AIの本質的な課題とは? GMOペパボが語るボトルネック分析と生産性"爆増"への挑戦

【Session4】AIを導入しても、開発生産性は"爆増"していない。なぜ?

 AIコーディングエージェントの導入で、開発現場は劇的に変化した。エンジニアではないメンバーがプロダクト改善を行うなど、職種を問わず誰もが便利なツールを気軽に作れるようになっている。しかし、これらの華々しい成果の裏で、開発生産性は"爆発的"に向上したとは言えない。Developers Summit FUKUOKA 2025では、現場が直面しているリアルな課題に焦点をあて、GMOペパボの西田貴之氏が講演。AIコーディングエージェントの導入が進む現代の開発現場において、多くのエンジニアが抱えるであろう疑問と、その先に存在する本質的な課題について深く切り込んだ。

AI導入と開発生産性向上への挑戦

 西田氏はGMOペパボ株式会社、ロリポップ・ムームードメイン事業部 事業開発チームに所属しており、普段はWebアプリケーションのエンジニアとして、主に新規事業開発を担当している。近頃は開発業務に加えて、エンジニア組織におけるAI活用の推進や、開発生産性向上への取り組みも行っており、きのすけ(@kinosuke01)というアカウント名でXでの発信を行っている。

 まずはじめに「本セッションを通して、開発におけるAI活用の解像度向上や、皆さんがAI活用の未来像を描くヒントにつなげることを目指したい」と本セッションのゴールを述べた。

 西田氏は、講演の前提として「まず物量が増える世界を想定する必要がある」と説明した。AIがコードを大量に生成できるようになると、既存のレビュー体制では処理しきれない場面が生じ得るためだ。

 「皆さん想像してください。AIが例えば1日に100プルリクエストを作ってあなた1人にレビュー依頼を出してきたりとか、1日に数万行コードを書いてあなた1人にレビュー依頼を出してきたりとかしたら、とてもじゃないけど耐えられないと思うんですよね」と具体的な例を挙げた上で、コードの内容を確認せずに承認しても、不具合やさまざまな問題が生じることを指摘した。

 しかし西田氏は、圧倒的な物量を抑えることではなく「物量に耐える仕組みづくりがエンジニアの本質なんじゃないか」という結論を導き出した。GMOペパボでは、この前提を踏まえつつ、まずはAIによる「物量を増やす活動」から着手しているという。

GMOペパボ株式会社 ロリポップ・ムームードメイン事業部 Webアプリケーションエンジニア 西田貴之
GMOペパボ株式会社 ロリポップ・ムームードメイン事業部 Webアプリケーションエンジニア 西田貴之氏

 また事前説明として、本講演で中心的に登場する3つのAIコーディングエージェントについても紹介した。

 1つ目はClaude Codeで、Anthropic社から提供されているCLIベースのAIコーディングエージェントである。2つ目はClaude Code Actionsで、Claude CodeをGitHub Actionsで実行できるカスタムアクションであり、GitHubのIssueで実装指示を出すとAIが実装してくれる環境を実現できる。3つ目はCursorで、Anysphere社から提供されているVS CodeからフォークされたAIコードエディターである。

登場するAIコーディングエージェントについて
登場するAIコーディングエージェントについて

 西田氏はこれら以外にも多くのAIコーディングエージェントを利用しているが、本講演で中心的に登場するのはこの3つだとした。

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

小玉 莉子(編集部)(コダマ リコ)

 2022年に新卒で翔泳社へ入社し、CodeZine編集部に配属。 公立はこだて未来大学情報アーキテクチャ学科卒。

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