SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Developers Summit FUKUOKA 2025 セッションレポート

日本人はなぜ「問い」が苦手なのか? 生成AI時代に不可欠な「プロンプト力」を磨く“仕事以外”のアプローチ

【Session9】AIと拓くエンジニアの未来。変革期における企業と個人の成長戦略

 「AIがエンジニアの職を奪う」という声がリアル感を増している。AI時代をどう生き抜くかという課題が、いよいよすべてのエンジニアへと迫ってきた。Developers Summit FUKUOKAのトリを飾るのは、悩めるエンジニアに指針を示すべく立ち上がったFusic副社長の浜崎陽一郎氏と、UdemyなどでAI教育を手がけるSAI-Lab代表取締役の我妻幸長氏。エンジニアカフェを運営するサイノウでCEOを務める村上純志氏がモデレーターを務め、AI時代のエンジニアの在り方について語り合った。

国外から見たAI社会の現在地。日本でのビジネスチャンスは?

 はじめのテーマは、国内外におけるAIの最新動向だ。足繁くシンガポールを訪れ、現地の様子を熟知する浜崎氏は、同国のチャンギ空港をAI活用の例として挙げた。

 チャンギ空港では、入国審査における顔認証とパスポート認証が自動で行われており、税関職員と対峙する必要がない。

 さらに、タクシーアプリ専用のレーンも配置されているため、歩きながらタクシーを予約すると、ゲートを通過した時にはタクシーが到着している。乗車するとすぐ市街地まで行けるため、着陸してからホテルで荷ほどきするまで1時間もかからないという。

 しかし、この便利さは徹底した監視と表裏一体だ。それを象徴するエピソードとして浜崎氏は、「ある日の朝、バス専用レーンを社用車で通ってしまったところ、午前中には罰金の通知が届いた」という知人の話を紹介する。道路上のカメラが車のナンバープレートを割り出し、即座に罰金の通告を送ったわけだ。

 監視社会とテクノロジーの便利さは紙一重だ。徹底的な自動化を便利なものとするか、自由がないと感じるか。シンガポールの取り組みは、そのバランスの難しさを問いかけるものと言える。

 さらに浜崎氏は、「自動化の難しさは、AIに限らない」として、自動運転を手がけるTier IV(ティアフォー)のCEOらとの会談についても共有する。アメリカ西海岸ではすでに自動運転車が数多く走行しており、日本はアメリカの背中を追う形となっている。しかし、自動運転における最大の課題は「技術」ではなく「気候」だという。日本は雨が多く雪も降るが、アメリカ西海岸は年間300日以上晴れているので、気候が大きく異なる。

 「海外のすぐれた事例をそのまま持ってくるだけでは、フィットしないかもしれない。日本という場所に合わせたビジネスチャンスを発掘してほしい」と、浜崎氏は会場のエンジニアに呼びかけた。

 これに対して我妻氏は、モンゴルを半月ほど訪れ、講演を行った際の経験を語る。講演後にロシア国境の湖を訪れた時、トナカイの遊牧を行っている少数民族が普通にスマホを所持していたというのだ。「スマホがあればAIが使える。AIの影響は世界中に行き渡っているんだなという印象を持った」(我妻氏)

SAI-Lab株式会社 代表取締役 我妻 幸長氏
SAI-Lab株式会社 代表取締役 我妻 幸長氏

 さらにモンゴルにおいて、CS業務における日本との共通点も発見した。それが「感情労働」に対する疲労感だ。同氏が講演を行った通信会社においては、顧客から寄せられる要望への対応をAIがサポートすることで、職員のメンタルヘルスを向上させているという。「モンゴルでの経験から、AIの驚異的な広がりを感じた」と結んだ。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます
  • ・翔泳社の本が買える!
    500円分のポイントをプレゼント

メールバックナンバー

次のページ
「個人」の生産性を上げるAI活用術

この記事は参考になりましたか?

Developers Summit FUKUOKA 2025 セッションレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

中島 佑馬(ナカシマ ユウマ)

 立命館大学卒業後、日刊工業新聞社にて経済記者として勤務。その後テクニカルライターを経て、2021年にフリーランスライターとして独立。Webメディアを中心に活動しており、広くビジネス領域での取材記事やニュース記事、SEO記事の作成などを行う。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

林田 大輔(ハヤシダ ダイスケ)

 1977年生まれ長崎出身。2002年出版社写真部へ入社。 チーフカメラマンを経て2008年よりフリーランスで活動開始。 現在、福岡を拠点に広告写真撮影を主に活動中。マイクロドローンFPVや映像撮影も行う。 http://s-flame.jp/

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/22890 2026/01/09 11:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング