さまざまな言語に対応するゲームプラットフォーム「Simple DirectMedia Layer」
スペースインベーダー似のゲームで巡るSDLの世界
RunGame()関数
メインのロジックループは、もちろんすべてRunGame()内にあります。この関数は約200行から成るので、全体を一度に見るには長すぎます。そこで、SDLの機能を説明しながら、いくつかの重要なセクションを取り上げることにします。コードを省略した部分は、コメント中の省略記号(...)で示します。
301 void RunGame(void) 302 { 303 int i, j; 304 SDL_Event event; 305 Uint8 *keys; 306 307 /* Paint the background */ 308 numupdates = 0; 309 for ( i=0; i<screen->w; i += background->w ) { 310 SDL_Rect dst; 311 312 dst.x = i; 313 dst.y = 0; 314 dst.w = background->w; 315 dst.h = background->h; 316 SDL_BlitSurface(background, NULL, screen, &dst); 317 } 318 SDL_UpdateRect(screen, 0, 0, 0, 0);
最初のセクション(301~318行目)では、SDL_BlitSurface()を使用して背景色のスライスをスクリーンバッファに順次blit転送し、SDL_UpdateRect()を使用して再描画をセットアップしているだけです。
319 320 /* Initialize the objects */ 321 // . . . 333 CreateAlien(); 334 DrawObject(&aliens[0]); 335 UpdateScreen(); 336 337 while ( player.alive ) { 338 /* Wait for the next frame */ 339 WaitFrame(); 340 341 /* Poll input queue, run keyboard loop */ 342 while ( SDL_PollEvent(&event) ) { 343 if ( event.type == SDL_QUIT ) 344 return; 345 } 346 keys = SDL_GetKeyState(NULL); 347 348 /* Erase everything from the screen */ 349 // . . . 366 /* Decrement the lifetime of the explosions */ 367 // . . . 373 /* Create new aliens */ 374 if ( (rand()%ALIEN_ODDS) == 0 ) { 375 CreateAlien(); 376 } 377 378 /* Create new shots */ 379 if ( ! reloading ) { 380 if ( keys[SDLK_SPACE] == SDL_PRESSED ) { 381 for ( i=0; i<MAX_SHOTS; ++i ) { 382 if ( ! shots[i].alive ) { 383 break; 384 } 385 } 386 if ( i != MAX_SHOTS ) { 387 shots[i].x = player.x + 388 (player.image->w-shots[i].image->w)/2; 389 shots[i].y = player.y - 390 shots[i].image->h; 391 shots[i].alive = 1; 392 Mix_PlayChannel(SHOT_WAV, 393 sounds[SHOT_WAV], 0); 394 } 395 } 396 }
これは、RunGame()ループ内の入力管理を行う部分です。
一見シンプルに見えるSDL_PollEvent()は、イベントに関する情報を含んだSDL_Eventオブジェクトを返します。ここでSDL_QUITという特殊な値を使用して、ESCキーが押されているかどうかを確認します。
これは純粋にキーボード操作だけでプレイするゲームなので、SDL_GetKeyState()を使用すれば必要な情報をすべて入手できます。PCのキーボードは複数のキーを同時に押せるよう設計されているので、結果は配列として返されます。この配列ではSDLK_SPACEのようなキーボードコード値がインデックスとして使われます(SDLK_SPACEはスペースバーを表します)。
397 reloading = (keys[SDLK_SPACE] == SDL_PRESSED); 398 399 /* Move the player */ 400 //. . . 415 /* Move the aliens and the shots */ 416 // . . . 443 444 /* Detect collisions */ 445 for ( j=0; j<MAX_SHOTS; ++j ) { 446 for ( i=0; i<MAX_ALIENS; ++i ) { 447 if ( shots[j].alive && aliens[i].alive && 448 Collide(&shots[j], &aliens[i]) ) { 449 aliens[i].alive = 0; 450 explosions[i].x = aliens[i].x; 451 explosions[i].y = aliens[i].y; 452 explosions[i].alive = EXPLODE_TIME; 453 Mix_PlayChannel(EXPLODE_WAV, 454 sounds[EXPLODE_WAV], 0); 455 shots[j].alive = 0; 456 break; 457 } 458 } 459 }
ここではMix_PlayChannel()に注目してください。これを使用することで、適切な状況で砲撃音を追加します。
このゲームでは3つのチャンネルを同時に使用し、音楽、砲撃音、爆発音をそれぞれ独立したチャンネルで扱います。なぜなら、そのときどきの状況によって、最大3つのサウンドを同時に再生する必要があるからです。独立したチャンネルを用意しておかないと、あるサウンドから別のサウンドへの切り替えをひっきりなしに行うことになり、サウンドトラックがぶつ切れになってしまいます。
話が前後しますが、これらのサウンドは次のような呼び出しで読み込んでおきます。
127 sounds[MUSIC_WAV] = Mix_LoadWAV(DATAFILE("music.wav"));
それでは、コードの続きに戻りましょう。
474 // . . . 475 /* Draw the aliens, shots, player, and explosions */ 476 for ( i=0; i<MAX_ALIENS; ++i ) { 477 if ( aliens[i].alive ) { 478 DrawObject(&aliens[i]); 479 } 480 } 481 // . . . 494 UpdateScreen(); 495 496 /* Loop the music */ 498 if ( ! Mix_PlayingMusic() ) { 499 Mix_PlayMusic(music, 0); 500 } 506 507 /* Check for keyboard abort */ 508 if ( keys[SDLK_ESCAPE] == SDL_PRESSED ) { 509 player.alive = 0; 510 } 511 } 512 513 /* Wait for the player to finish exploding */ 514 while ( Mix_Playing(EXPLODE_WAV) ) { 515 WaitFrame(); 516 } 517 Mix_HaltChannel(-1); 518 return; 519 } 520
本稿では、すべての処理について細かく説明したわけではありません。たとえば特に触れませんでしたが、UpdateScreen()は、表示するビットマップのリストを反復処理して画面へのblit転送を行う関数です。これらのコードの詳細については、ソースコードを見てください。
まとめ
500行あまりのコードで実装された昔懐かしい2Dシューティングゲームに音楽とリアルタイムプレイを組み合わせただけですが、SDLの素晴らしさはわかっていただけたのではないでしょうか。もちろん、この同じコードから、WindowsやLinuxをはじめ、さまざまなプラットフォームで実行可能なアプリケーションをコンパイルできます。本稿では、SDLの表面を少し触ってみただけにすぎません。興味のある方は、ぜひ実際に使ってみてください。
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Victor Volkman(Victor Volkman)
1980年代末から『C/C++ Users Journal』などのプログラミング雑誌に記事を執筆。ミシガン工科大学を卒業し、WashtenawコミュニティカレッジCIS学部の諮問委員会のメンバーを務める。『C/C++ Treasure Chest』など数々の書籍の編集者であり、Loving Healing Pressのオーナーでもある。オープンソースのツールやライブラリについての相談、お問い合わせはsysop@HAL9K.comまで。
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