深いドメイン知識を持ったエージェントを提供するために
──過去の記事では、デジタル戦略部について「40名のチームで25プロダクトを並行開発している」と紹介されていました。現状はどうなっていますか。
齋藤:今は60名のチームになっています。月によって変動はありますが、大体10個から15個のスクラムチームに分かれて、45個ぐらいのAIエージェントやAIプロダクトを、それぞれのチームが同時並行的に開発している状況です。
プロダクトは大きいものもあれば、小さいものもあります。大きいものだと毎月何人月も投入していますし、小さなアイデアを形にするフェーズの案件だと1人で2つ持つぐらいのものもある。案件の種類はさまざまです。
──大規模プロジェクトに絞って人数を集中させる選択肢もある中で、なぜこれだけ多くのプロダクトを並行させるのでしょうか。
齋藤:要因はいくつかあると思います。1つは、40から45ある案件がそれぞれ、どこかのビジネス部署のビジネスニーズだったり、PowerPointを自動生成するような全社ツールだったりするためです。
それらのユースケースは、そのビジネスドメインに特化したエージェントを作らなくてはいけません。エージェントを作るときは、ビジネス業務上の知識を十分に持ったものにする必要がある。どこかに集中するのも選択肢ですが、それぞれのユースケースを実現するエージェントを手早く同時に作っていく方が良いと考えています。
また、私たちテクノロジー側の人間がAIを使うことで、開発速度は変わりました。Claude Code、Codex、DevinといったAIツールを使って開発するので、2、3年前まで普通に手で開発していた身からすると、今の開発スピードはかなり速いです。「体感として、何十倍ぐらいのスピード」になっていて、1人が書けるコードの量が増えているので、より多くのプロダクトを並行開発できるようになりました。

──現在の開発スピードを保つために、エンジニアには何が求められますか。
齋藤:一番大きいのは「エンジニア全員が常に最新情報をキャッチしていないと、あっという間に取り残されてしまう」ということです。新しく出てくるモデルの更新、フレームワークの更新、それに対抗するオープンソースの技術的なアップデートがかなり頻繁にあり、全部合わせるとほとんど毎日、何かしら開発業務に関係するアップデートがあるのではないかと思います。
さらに、それを活用して開発しないといけません。我々はAIコーディングを前提とした開発体制を敷いていて、原則手では書かないことを徹底しています。その代わり、最新情報をどれだけキャッチして、AIが書いたコードに対して「いや、これは少し前の情報を参照している」と人間が指示出しをして、最終的に綺麗な形にしていく。これは心がけの1つとしてやっていくことだと思います。
みずほFG・デジタル戦略部のエンジニアが登壇!裏側の技術選定を語る
11月25日に東京・神田で開催される「Developers X Summit 2026」にみずほFG・デジタル戦略部のメンバーである住吉賢司氏が登壇!みずほFGのAI開発を支える技術選定と標準化の実践を語ります。セッションの詳細・お申込みはこちらからご確認ください。
この記事は参考になりましたか?
既に会員の方はを行ってください。
- IT×大企業で社会の変革に挑むトップランナーたち連載記事一覧
-
- 「AIなんて」が消えた3年──みずほFG・CAIO藤井氏、齋藤氏が語る、大企業AXの現在地
- ブリヂストンでPythonや機械学習の社内研修、製造業をベースとしたDXの現在地を仕掛け人...
- 「三菱電機を芯からアジャイルに」三菱電機の中の人になった市谷氏×20年のアジャイル推進者...
- この記事の著者
-
中野 佑輔(編集部)(ナカノ ユウスケ)
金融系SIerでの勤務を経て2025年よりCodeZine編集部所属。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
-
丸毛 透(マルモ トオル)
インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
