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プロセスライン

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2007/11/14 12:00

 開発者は「銀の弾丸」を求める。しかし、銀の弾丸は狼男を対象とした必殺の武器であり、他のモンスタには効果がない。多種多様な組込み開発には、銀の弾丸が直接の答えになることは稀である。しかし、プロダクトラインの考え方を適用すれば、それぞれのモンスタに最適な武器、つまりあなたの開発に最適な「答え」を手に入れることができるのだ。まだ、すぐに利用できる状況には至っていないが、そのヒントをここに示そう。

目次

組込み開発の現状

 より魅力ある製品を顧客に提供するために、電子機器はメカ制御から電子制御、そしてソフトウェア制御と移り変わってきた。組込みソフトウェアの開発力は、日本が世界に誇るものであった。これは、ソフトウェア開発の大部分が若干名の技術者によって行われていた状況において、日本の技術者個々人の能力の高さで成し遂げてきたことによる。しかし、市場が飽和し、差別化のために多機能・高機能化、多品種少量化、開発期間の短縮が求められるようになった。もはや若干名による開発は成し遂げられなくなり、より多くの開発者による分業が不可欠となった。これにより、個人技から組織技への移行が必要になってきている(図1参照)。

図1:組込み開発の「技」の変化
図1:組込み開発の「技」の変化

 組込み開発では、長年、個人向けの技術や環境が研究され整備されてきたが、組織技向けの技術、特にプロセスや仕様(ドキュメント)などの研究、整備が遅れている。特に日本ではリアルタイムに関する取り組みは活発であるが、組込みシステムや組み込みソフトウェアの研究は海外に比べて遅れている。これは、組込み技術を主として研究している大学が極少数しかなく、また、組込み技術に関する文献や学界の多くが海外にあることからも明らかであろう。

 一方、開発のパターンが少ないIT分野では、プロセスを含む方法論やツールなどの開発向けソリューションが成熟し、新たにソリューション提供者が組込み分野へと進出を行っている。しかし、彼等は多種多様な組込み開発の特性を理解しておらず、オブジェクト指向やUML、Javaなどの最新の開発環境を前提とし、デスクトップPC並みのCPUとメモリを前提とする特定の開発特性を対象とする開発環境を提供しようとしている。このようなソリューションが効果を示すのは、たまたまソリューションが前提としている特性を持つ開発だけであり、むしろ合致しない方が圧倒的に多いはずだ。


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著者プロフィール

  • 佐藤 啓太(サトウ ケイタ)

    組込み業界に身を置いて、四半世紀が過ぎた。 組込みの開発や組込み・ITのコンサル、オブジェクト指向の教育やデザインパターンなどの研究などを経て転職を重ね、現在7社目となる某社の組込み関係の研究者が表の顔である。 一方で、特定領域や企業のための活動よりも、多くの領域や企業に価値ある活動を志向し...

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