圧縮の実装
本稿では、Java EEアプリケーションで圧縮を実行する2種類の方法について説明します。
- WebLogic圧縮フィルタ
- PlanetJ圧縮フィルタ
どちらの方法も圧縮対象となるレスポンスの内容には関係なく、レスポンス全体に対して処理を行います。言い換えれば、これらの方法はフィルタとして機能し、XMLレスポンス、文字列レスポンス、さらにはバイナリレスポンスを圧縮するために利用できるということです(図1)。
この2つの方法は同様の構成になっています。両方ともgzipアルゴリズムを用いてデータを圧縮します。この圧縮アルゴリズムはすべてJavaで実行されるため、ネイティブ実装よりも遅い可能性があります(実際のJARファイルは本稿のダウンロードサンプルに含まれています)。
WebLogic圧縮フィルタ
この圧縮フィルタをWebアプリケーションにセットアップするには、JARライブラリファイルをプロジェクトにインポートし、web.xml内にフィルタマッピングを追加したうえで、圧縮の対象となるすべてのリソース(.txt、.log、.html、Webサービス用の/wsdl/*など)をマッピングします。以下に簡単な手順を示します。
- ダウンロードコードに含まれる「weblogicx-gzip.jar」ファイルをWARファイルの「
WEB-INF/lib」ディレクトリに追加します。 WEB-INF/web.xmlに示されているように、gzipフィルタをweb.xmlに登録します。- フィルタを次のようにマッピングします(サンプルファイル中のweb.xmlにも例が含まれています)。
<filter> <filter-name>GZIPFilter</filter-name> <filter-class>weblogicx.servlet.gzip.filter.GZIPFilter</filter-class> </filter>
<filter-mapping> <filter-name>GZIPFilter</filter-name> <url-pattern>/*.html</url-pattern> <url-pattern>/service/wsdl/*</url-pattern> </filter-mapping>
PlanetJ圧縮フィルタ
この圧縮フィルタをセットアップする方法は、WebLogic圧縮フィルタの場合と同様です。JARファイルをインクルードし、web.xmlを更新します。PlanetJフィルタ用のweb.xmlの設定例を以下に示します。
<filter>
<filter-name>CompressingFilter</filter-name>
<filter-class>com.planetj.servlet.filter.compression.CompressingFilter</filter-class>
<init-param>
<param-name>debug</param-name>
<param-value>true</param-value>
</init-param>
<init-param>
<param-name>jakartaCommonsLogger</param-name>
<param-value>com.planetj.servlet.filter.compression.CompressingFilter</param-value>
</init-param>
</filter>
<filter-mapping>
<filter-name>CompressingFilter</filter-name>
<url-pattern>/service/wsdl/*</url-pattern>
</filter-mapping>
soapUIを使ってWebサービスの圧縮をテストする
テストのために、圧縮フィルタを使用してWebサービスのレスポンスを圧縮してみました。SOAPエンベロープ内のXMLも圧縮対象としました。圧縮されたWebサービスのテストには、ロイヤルティーフリーのWebサービス解析/テストツールであるsoapUIを使用しました(図2)。
soapUIは、圧縮されたメッセージを受信してそれを自動的に展開する機能など、多数の機能を備えています。展開を無効にする設定も可能です。この設定は、クライアント側で処理を行わない純粋なネットワーク伝送時間を計測するときに役立ちます(図3)。
soapUIによるテストの結果は、両方のツールの圧縮効果が同じであることを示しています。すなわち、非圧縮入力に対する圧縮出力の比率はどちらの方法でもまったく同じでした。これは、両方のアルゴリズムが同じであることが理由だと思われます。ただ興味深いことに、PlanetJ圧縮フィルタはWebLogicフィルタよりも圧縮速度が速いようです。このため、一定時間当たりのリクエスト/レスポンスの処理量ではPlanetJが上回る結果となりました。10分間のテストの実行結果を次の表に示します。
圧縮技術実装の必要性
クライアント/サーバ間通信のための新しいAPIの登場によって迅速な開発と堅牢なアプリケーションの作成が可能になる一方で、膨大な量のメッセージがネットワーク上を流れるという問題が起きるおそれがあります。この問題に対処するには、本稿で説明したような圧縮技術などを実装する必要があります。
参考資料
- 『Class CompressingFilter』(sourceforge.net)




