はじめに
Visual Studioは2005の時から単体テスト機能を搭載するようになりました。2008のバージョンでは一般的な開発者が利用するProfessional Editionにもこの機能が搭載され、ますます使いやすい環境が整ってきています。本稿(および本シリーズ)では主に単体テスト機能にフォーカスしますが、開発者の利用シーンをキーワードに、いくつかのシナリオを想定して、その時々の使い方を取り扱っていきます。初回となる今回は、最も基本的ないくつかの点について見ていきましょう。
対象読者
- .NET Frameworkを利用した開発プロジェクトに携わっている方
- Visual Studioの単体テスト機能に興味がある方
必要な環境と準備
本稿で解説する内容を実際に試す場合には以下のいずれかのソフトウェアが必要になります。
- Visual Studio 2008 Professional Edition
- Visual Studio Team System 2008 Development Edition
- Visual Studio Team System 2008 Test Edition
- Visual Studio Team System 2008 Team Suite
まだ環境がなく、製品版も所持していない場合には、Visual Studio 2008 Professional Editionの評価版をダウンロードして試すことができます。Development Edition、Test Editionの評価版は用意されていませんが、これらを包含したTeam Suiteの評価版はダウンロードすることができます。それぞれのダウンロードページにはダウンロード手順やインストール手順についての記載がありますので内容を確認のうえ、作業を行ってください。
また、既にService Pack 1が提供されているので、こちらも適用しておくことをお勧めします。Service Pack 1のインストーラーもダウンロードして入手することができます。
次に本稿で利用するソリューションとプロジェクトです。非常に簡単なものしか扱わないため、普段からVisual Studio(以下、VS)を利用し、操作に慣れている方は特に準備をしなくても、読み進めると同時にやっていただければ問題ないと思います。あまり慣れていない方や面倒な場合には、本稿に付属の「CodeZine-Test-01(事前).zip」をダウンロードし、任意の場所に解凍しておいてください。それで準備は完了です。なお、本稿に付属のサンプル「CodeZine-Test-01(事前).zip」に対して、今回の内容をすべて実施したものを「CodeZine-Test-01(作業後).zip」として用意してあります。作業結果を確認したい場合にはこちらのファイルを解凍したものをご覧ください。
実装済みメソッドからテストメソッドを作成する
まずは最も基本的な単体テストの作成を行いましょう。既に実装済みのメソッドに対してその動作をテストするための単体テストを作成します。テスト対象のクラス、メソッドはシンプルに2つの引数の和を計算するリスト1のものを利用します。
namespace ClassLibrary1 { public class Calculater { //引数x, yの和を計算するメソッド public int Add(int x, int y) { return x + y; } } }