はじめに
PHPで利用できるテンプレートエンジンの1つにSmartyがあります。PHPでWEBシステムを開発する場合、PHPソースの中にHTMLコードを混在させることができます。そうした場合には、WEBページのデザインを変更する場合にもPHPソースに手を加えなければならなくなり、PHPソースの保守性を低下させることになってしまいます。Smartyを使用すると、ロジックとWEBページのデザインを分離させることができ、PHPプログラムの保守性や生産性を上げることができます。
本記事ではSmartyのテンプレートエンジンとしての使い方だけでなく、Smartyのテンプレート出力のコントロールやフィルタ機能を利用して、WEBシステム開発において必須と思われるCSVファイルダウンロード機能、携帯サイト対応、メールテンプレート機能を実装する例をサンプルを交えて説明します。
今回は次のライブラリを利用して、各機能の実装を説明します。
ライブラリ名 | 概要 |
Smarty | PHPテンプレートエンジン |
Text_Pictogram_Mobile | 携帯3キャリア対応の絵文字ライブラリ |
Net_UserAgent_Mobile | 携帯電話機種判別、プロパティ取得を行うライブラリ |
メールを送信するライブラリ |
対象読者
- PHPでのWEBアプリケーション開発について基本的なことを理解している方
サンプルアプリケーションの概要
本記事で作成するサンプルは、次の表のとおりとなります。
ファイル名 | 概要 |
config.php | DB接続情報を設定するファイル |
books.php | Smartyの基本的なサンプル |
books_sjis.php | 出力する文字コードをSJISに変換するサンプル |
books_csv.php | CSVファイルのダウンロードを実装するサンプル |
books_z2h.php | 全角を半角に変換するサンプル |
libs/plugins/modifier.convert_z2h.php | 全角を半角に変換する修飾子の実体関数 |
books_mobile.php | 携帯絵文字共通化を実装するサンプル |
books_mail.php | メールテンプレート機能を実装するサンプル |
MailSender.class.php | メール送信、メールテンプレート機能の実体クラス |
動作確認環境
- CentOS 5.3
- Httpd 2.0.61
- PHP 5.3.2
- MySQL 5.1.14
- Postfix-2.6.2
事前準備
ライブラリのインストールは以下のコマンドで行います。「--alldeps」オプションで依存する他のパッケージも同時にインストールします。
# pear install --alldeps Net_UserAgent_Mobile # pear install Mail # pear install --alldeps http://blog.asial.co.jp/data/Text_Pictogram_Mobile-0.0.2.tgz
Smarty本体は以下のURLからバージョン2.6.26をダウンロードして解凍後、Smarty-2.6.26/libsをsampleフォルダ内のlibsディレクトリに配置します。