グーグルは25日、米国時間の18日から3日にわたり開催された開発者カンファレンス「Google I/O 2010」で紹介されたGoogle ChromeのHTML5関連の新たな技術について、説明を行った。
グーグルは25日、米国時間の18日から3日にわたり開催された開発者カンファレンス「Google I/O 2010」で紹介されたGoogle ChromeのHTML5関連の新たな技術について、説明を行った。
ウェブブラウザ「Google Chrome」を日常的に使用しているアクティブユーザは、全世界で約7,000万人にものぼる。同社のシニアエンジニアリングマネージャー 及川卓也氏は、HTML5に関連する技術として、まずビデオコーデックの問題を取り上げた。
HTML5の仕様の策定においては、ブラウザ上で動画を閲覧するための規定を決めようとしている段階だが、現状ではコーデックを統一して全てのブラウザに対応させるのは難しい状況にある。そこでGoogleは、動画技術のパイオニアである「On2」を買収し、On2のビデオコーデック技術をコアにして「WebMプロジェクト」を立ち上げた。WebMプロジェクトは、ビデオコーデックに「VP8」、音声コーデックに「Vorbis」を採用し、コンテナとして「Matroska」のサブセットとなるフォーマットを使用している。
WebMに対応するブラウザは、Chromeはもちろん、FirefoxやOperaでも近々サポートしていく予定だ。また、コーデックの普及にはハードウェアのアクセラレーションも鍵となっているため、AMDやNVIDIAなどもサポートを表明している。及川氏は「WebMプロジェクトにより、オープンソース・ロイヤリティフリーで動画再生技術が提供できる」と説明した。
また、動画サイト「YouTube」では、既にWebMの対応を進めている。一部のブラウザを使用してHTML5版での動画再生に同意し、キーワードで動画の検索を行った後、URLに「&webm=1」を付加してエンターを押すと、WebMでエンコーディングされた動画のリストが表示される。
もう1つのChromeの新しい試みは、ウェブアプリケーションを配布するオンラインストア「Chrome Web Store」のオープンだ。多くの情報がインタ-ネット上に溢れている現在は、ユーザーが必要とするアプリケーションを見つけ出すことが困難になりつつある。そこで、ブラウザの「新しいタブ」ページに、Chrome Web Storeからインストールしたアプリケーションをパッケージ化し、アイコンで表示することで、目的のアプリケーションにすぐアクセスできるようにする工夫が施された。
また、ネイティブクライアント技術により、アプリケーションはプラットフォームを問わない形で公開できる。例えば、C++で書かれたゲームのプログラムを、ウェブで使用するためにJavaScriptなどで書き直す必要がないため、開発者は自身が作成したアプリケーションを環境に左右されることなく容易に公開できる。Chrome Web Storeの対象は無料・有料アプリケーションで、日本語を含む40言語以上に対応する予定。細かな仕様などは開発中だが、今年後半には公開したいとしている。
【関連リンク】
・Google I/O 2010
・the WebM Project
・Chrome Web Store
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