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Zend Serverによる高性能PHP環境構築とパフォーマンスチューニングに役立つ監視機能

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 PHP 4以降の高速化は、Zendによって実現されており、PHP 4には高速化するためのプリコンパイラ「Zend Engine」が標準採用されました。さらにZendは、信頼して利用できる高速化したPHP実行環境を提供するために「Zend Server」を提供しています。この記事では、Zend Serverのインストールから注目の機能までを紹介します。

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PHPとZend

 多くのWebシステムで活用されているスクリプト言語PHPは、1996年に登場して以来常に進化を続けています。言語仕様を改良し、より複雑な処理を記述できるように改良されてきました。また、実行スピードを改善するために改良が行われています。PHP 3を開発するプロジェクトでは大幅な高速化が実施されました。Zend Technologies Ltdの創業者Zeev SuraskiとAndi Gutmansは、このプロジェクトに参加していました。彼らは、さらにPHPを高速化するためにプリコンパイラを考案しました。それが、Zend Engineです。Zend Engineは、PHP 4に標準採用されており、PHP 4以降のPHP環境にビルトインされています。

 このようにPHP 4以降の高速化は、Zendによって実現されてきました。Zendは、さらにPHP実行環境を高速化するプロダクトとしてZend Serverの提供を開始しました。

Zend Serverとは

 前述のようにPHPは、何回か高速化が行われています。しかし、Webシステムを利用するエンドユーザは、常に快適なレスポンスを望んでいます。そのため、開発者やシステム管理者は、より高速な実行環境を求めます。高速で効率の高いPHP実行環境を使用すれば、より快適なレスポンスを実現できます。時にはこれらが、開発者やシステム管理者の窮地を救う存在となります。

Zend Serverの目的とメリット

 Zendは、信頼して利用できる高速化したPHP実行環境を提供するためにZend Serverを提供しています。Zend Serverは、利用者に多くのメリットを提供する製品です。数多くのメリットから、特徴的なメリットを時系列に3つのステップで紹介します。

Step1:PHP実行環境の構築(Zend Server共通機能)

 Zend Serverは、高品質で高性能なPHP実行環境を容易に短時間で構築でき、サーバ構築の作業負荷を大幅に軽減できます。導入後の設定変更もGUIベースで簡単に行え、運用フェーズでも威力を発揮します。

表1 Zend Serverが構築するPHP実行環境の概要
種別 対象
PHP実行環境 PHP基本環境(PHP 5.2/5.3および基本モジュール)
Zend Server各種モジュール
PHPフレームワーク Zend Framework
データベースドライバ Oracle、DB2、SQL Server、Informix
MySQLデータベースと管理GUI MySQL Server/phpMyAdmin
Webサーバ Apache Web Server
*既存のApacheまたはIISへのセットアップも可能

Step2:高性能PHP実行環境(Zend Server共通機能)

 Zend Serverは、高速化機能によって、PHPコードの変更なしに大幅な高速化が可能です。また、この高速化機能は、効率化も実現しており、Webサーバのシステム資源の有効活用が可能です。Zend Serverの実行環境は、標準的なPHP環境と比較して1.3~3.5倍の高速化を実現できます。さらにJava VMの呼び出し制御で、効率を上げるための機能も搭載しています。

表2 Zend Serverシリーズが提供する機能
モジュール名 機能
Zend Data Cache コードキャッシュ/Dataキャッシュ
Zend Guard Loder 暗号化済みPHPコードの実行
Zend Optimizer + PHPコード最適化
Zend Java Bridge JVM呼び出し効率化
Zend Debugger デバッグ制御

Step3:拡張機能による高度な運用(Zend Saver PEのみで実現)

 Zend Server PE(日本ではEnterprise Edition)は、より高度な運用を実現するためにさまざまな拡張機能を搭載しています。これらの機能を駆使することにより、標準のPHP実行環境よりもはるかに高機能なPHP実行環境を実現します。

 例えば、運用監視機能(モニター)では、PHPコードの挙動を監視しており、設定した範囲を超えると実行内容を記録するとともにメールで通知します。

表3 Zend Server PEが提供する高度な機能
モジュール名 機能
Zend Page Cache 実行結果のキャッシュ
Zend Monitor 実行監視
Zend Job Queue 実行制御
Zend Code Tracng 実行状況の詳細
Zend Session Clustering セッション共有
*運用にはZend Server Cluster Managerが必要です

Zend Serverの商品構成

 Zend Serverは、使用できる機能によって、Community EditionとProduction Editionに分かれています。Community Editionは、サポートなしであれば、無償で利用できます。

表4 Zend Server 英語版の製品構成
実装機能 Zend Server CE Zend Server PE
正式名称 Community Edition Production Edition
検証済みPHPバイナリ
Zend Framework
DBドライバ(Oracle,MySQLなど)
管理コンソール(Webベース) 英語 英語
Javaブリッジ
デバッグインターフェース
コードキャッシュ
Dataキャッシュ(API)
ページキャッシュ  
モニター(アラート)  
コードトレーシング  
ジョブキュー  
費用 無償 有償 有償
英語でのサポート なし 付属 付属

 日本語版は、Standard Edition(機能はCommunity Edition)とEnterprise Edition(機能はProduction Edition)に分かれています。GUIとインストールマニュアルが日本語化されており、日本語でのサポート付きですので安心してご利用いただけます。

表5 Zend Server 日本語版の商品構成
実装機能 Zend Server SE 日本語版 Zend Server EE 日本語版
正式名称 Standard Edition Enterprise Edition
実装機能 Zend Server CEと同様 Zend Server PEと同様
画面GUI 日本語 日本語
費用 有償 有償
日本語でのサポート 付属 付属

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この記事の著者

ゼンド・ジャパン株式会社(ゼンド・ジャパンカブシキガイシャ)

2001年にZendプロダクト専業の組織として設立。2002年より、独立会社として活動を開始しました。2003年からは、MySQLプロダクトの取扱を開始するなど、Webシステムにフォーカスした製品およびサービスの提供を行っています。LAMPソリューションのサポートサービスでは、SI会社のバックサポー...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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