KDDIウェブコミュニケーションズは15日、クラウドブランド「CloudCore」(クラウドコア)を新設し、サービス第一弾として「CloudCore VPS」の提供を開始した。
同社代表取締役社長の山瀬明宏氏は、クラウド事業への参入が後発であることを認めつつも、現在のクラウドサービスが技術者に幅広い知識を要求する「難しさ」を指摘。結果的に導入コストの高さとして、中堅・中小企業(SMB企業)の参入障壁になっていると分析した。そこで同社では、ホスティング事業での長い付き合いで培ったノウハウと、後発ならではのメリットを生かし、SMB事業者に最も適したクラウド環境として「CloudCore」を立ち上げたと説明している。キーワードとして掲げるのは、難しさを打ち破る「超楽(ラク)」だ。
KDDIウェブコミュニケーションズでは、大きく2つの視点で「楽に使える」クラウドを考えており、機能面を追求したのが今回リリースされた「CloudCore VPS」、ソリューション面を追求したのが12月15日にリリースが予定されている「CloudCore Hybrid」と位置付けている。後者は、クラウド基盤をベースに同社のエンジニアがシステム構成を支援するIT担当者向けのサービスとしている。
「CloudCore VPS」は、自社開発でKVMベースの完全仮想化環境を構築した仮想専用サーバー(VPS)サービスで、CPU物理1コア、メモリ2GB、ディスク容量100GBを、月額945円(12か月契約初年度月額費用割引キャンペーンの適用時)からのプランで提供する。
SMB事業本部 ホスティング事業担当副本部長 角俊和氏は、「コストパフォーマンスは現時点で日本一、世界一を自負しているので、ぜひ無茶な使い方をして欲しい」と、サービスに対する自信のほどを示した。
現在はCentOSのみの提供になるが、対応OSは順次拡張予定。今後のロードマップとして、年内にリモートコンソールの提供と利用OSの拡充。来年3月までにプランの追加、各種リソースの拡張対応、VM世代管理機能、持ち込みOS対応、リソースモニタの追加。夏までにAPI、ストレージ、専用サーバーおよび他社クラウドとの相互コンバートツールの提供を挙げている。
相互コンバートツールについては、同じシステムを複数事業者間で冗長構成してDR対策を行うといった使い方もできるのでは、という考えも示した。なお、CloudCore VPSのデータセンターは都内に設置されているという。
開発コミュニティへのサーバー無償提供、勉強会用の会場提供といった開発者支援制度も同時に表明しており、オープンソースを利用していることに対して少しでも還元しようという取り組みの一環と述べている。
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