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ロングテールを活用し、“売れる”ECサイトシステムを構築する

売上がアップするECシステムを構築するための鍵

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ウェブ2.0という言葉が流行しています。この変革の中で、ロングテールというキーワードが、とりわけECの世界で注目されてきています。従来のマーケティングの概念を崩すロングテールは、ECサイトのシステム構築にどのような変化を与えるのかを解説したいと思います。

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ロングテールを活用し、“売れる”ECサイトシステム構築する
 ウェブ2.0という言葉が流行しています。この変革の中で、ロングテールというキーワードが、とりわけECの世界で注目されてきています。従来のマーケティングの概念を崩すロングテールは、ECサイトのシステム構築にどのような変化を与えるのかを解説したいと思います。
新しい概念であるウェブ2.0の正体とは?
 ロングテールの説明に入る前に、ウェブ2.0と呼ばれるウェブの新しい流れについて触れていきましょう。ウェブ2.0は、アプリケーションやツールの新バージョンであるといった誤解があるようですが、歴史的に見ればアメリカの技術関連出版社を経営するティム・オライリー氏が提唱した新しい概念なのです。

このウェブ2.0にはさまざまな解釈がなされ、言葉だけが流行しているのが現状ではないでしょうか。この概念に関して、伊藤穣一氏の言葉を借りれば、ウェブ1.0は最新情報が1ヶ月後にアップされる世界。ウェブ2.0は5分後にアップされる世界。さらに、ウェブ3.0は瞬時に最新情報がアップされる世界であると。

確かに、SNSやブログの登場によって情報の更新スピードが速くなり、これまでは情報発信できなかったITリテラシーの低い方でも気軽に情報発信が可能になりました。ここが、ウェブ2.0である「5分後にアップされる」世界なのでしょう。

このウェブ2.0の世界には7つの特徴があると言えます。
  1. フォークソノミー
    ユーザーが従来の概念にとらわれることなく、自由に情報を整理できる。
  2. リッチなユーザー体験
    AjaxやDHTMLなどの技術でユーザー体験がより豊かになる。
  3. ユーザーによる貢献
    ユーザーによるレビューや評価がコンテンツ構築に大きく貢献する。
  4. ユーザー参加型
    開発やコンテンツ制作にユーザーが積極的に関わるサービスが成立する。
  5. 相互信頼
    情報を享受する側に信頼を寄せることで、知の共有と相互発展を目指す。
  6. 分散性
    ファイルの相互交換や共有でサービスが成立する。
  7. ロングテール
    売れない8割に当たるニッチ商品やサービスが、ビジネスとして成立する。
 とりわけ、ECサイト構築で注目しておきたいのが、7つ目の「ロングテール」です。ウェブ2.0の世界では、コミュニケーションコストが限りなくゼロに向かっていきます。こうなることで、今まで切り捨てていた顧客へのアプローチが容易になったのです。このことが、どんな現象を巻き起こしたかをご説明していきます。
常識だった80対20の法則が崩れたロングテールの法則
 今までは「80対20の法則(パレートの法則)」と呼ばれるものが常識でした。これは、売り上げの8割は、全体の2割の優良顧客が生み出すと言われてきた常識です。しかし、ウェブ2.0の世界では、この売れない8割、すなわちロングテール(長い尾部分)が、売れる2割を超える売上をもたらすことができるのです。これが「ロングテールの法則」と呼ばれるものです。

このロングテールという言葉は、米国「Wired」誌の編集長であるクリス・アンダーソン氏が2004年に同誌で提唱した概念です。彼は、リアルな大手書店の「バーンズ&ノーブル」とネット書店として有名な「アマゾン」との比較を行いました。

あるバーンズ&ノーブルの店舗では、品揃えが13万種。これに対して、アマゾンは230万種の品揃え。その売り上げを比較すると、リアル書店ではまったく売れない、販売ランキング13万位(!)以下の売り上げが全体の57%を占めているのです。リアルな書店では棚のスペースに限界があるので、売り上げを最大化するためには売れ筋の書籍を陳列するのがマーケティングの常識でした。

これに対してネット書店であるアマゾンは、極端に言ってしまえば、棚のスペースは無限です。そのため、年に数冊しか売れない書籍の販売量が、売れ筋の書籍の売り上げを上回っていたのです。

ただし、発表後にこのクリス・アンダーソン氏の計算には間違いがあることも指摘されています。常に売れない80%が売り上げの方が大きいかのかというと、そうでもありません。ただ、ロングテールという現象が正しいか、正しくないかという議論には意味がありません。

ウェブ2.0以降の世界において、ロングテールという現象は実際に起きているのですから、その現象をしっかりとECサイトに取り込んで、売り上げを劇的にアップさせるシステムを構築することが大切なのです。この売れるECサイトを構築するためには、ITをマーケティングに積極的に使っていく必要があるのです。
ITをなぜマーケティングで使うのか?
 これまでのリアルな店舗では、売る側のリソースが限られています。売り上げを上げるために営業マンを増やしてしまうと、人件費がかさんできて、利益率を上げることはできません。そのため、マンパワーや棚などの限られたリソースは、“売れるもの”に集中させる戦略が主流だったのです。これが先ほどの「80対20の法則(パレートの法則)」が常識になっていた理由です。

考えてみれば、10年に1個だけ売れるか売れないかわからない100円の商品のために、棚のスペースを使い人間を配置したのでは、無駄が多くなってしまいます。だったら、売れる商品にリソースを投入し、頻繁に買ってくれるお客様を大切にしていったほうが良いだろうと考えるのは当たり前に見えるでしょう。この考え方は、顧客満足度を高めるとか、優良顧客をさらに優良顧客にするという意味で、CRMの根本原理となっています。つまり、人間対人間のマーケティングが根底にある考え方なのです。

これは、ITをマーケティングに使うことで大きく変わってきます。なぜなら、前述のロングテールである残りの8割が自分達のマーケットになるからです。つまり、ITを使って受注までの工数や顧客とのコミュニケーションに関わるコストを劇的に下げてしまえば、売れない8割を低コストで販売できるようになるのです。

例えば、10年に1個だけ売れるか売れないか分からない100円の商品を買う人が1億人いたら、100億円の売り上げになります。1円だけ買ってくれる人を1億人集めてきて、1億円の売り上げにするための仕組みを提供することが、ITをマーケティングに使うことで実現可能になってきたのです。
売り上げがアップするECシステムを構築するための鍵とは?
 では、ITをマーケティングに使うために必要なこととは、何でしょう? それは「自動化」の一言に尽きます。ITを使ってお客様との対話を徹底的に自動化し、受注までの工数とコストを下げる。そうすれば、これまでは非効率過ぎて販売できなかった商品を取り扱うことができます。物理的な制限を取り払って、膨大な商品数を取り扱うことができるでしょうし、ともすれば絞る必要があったお客様の数をいくら増やしてもかまわないようにするためのシステムを構築する必要があります。

例えば、メールマガジンなどのコミュニケーションツールなども自動化することが望ましいといえます。会員登録したお客様へメールを1通1通手書きで書いているのでは、人的コストがかかってしまいます。これを、お客様とのリレーションシップを構築する段階で最適なメールを前もって準備しておいて、自動的に配信する。お客様が購入に向けて着々と盛り上がってくれるメールが、プログラムに基づいて自動配信されるオペレーションシステムを構築するのです。こういった部分まで自動化すれば、集客コストも劇的に下げることも可能になってきます。

こうして、自動化を進めたECサイトを構築することで、これまでは扱えなかった膨大な量の商品やお客様を扱えるようなります。人間だけでは扱えなかったマーケットが扱えるようになるのですから、売り上げが絶対的に上がっていきます。徹底的な自動化を進めたECサイトを構築することで、売り上げを確実にアップさせることが可能になるのです。

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