SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

「Developers[Social Enterprise]Summit 2012」レポート(AD)

【夏サミ2012】A-2セッションレポート
業務アプリ開発の現場でソーシャル機能をいかに取り込んでいくか

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 クラウドプラットフォームが発表され、PaaS製品が数多く出そろう中、業務アプリ開発の現場では、ソーシャル機能をいかに取り込んでいくかが大きな課題となっている。ソーシャルプラットフォームの先駆けともいえる『Chatter + Force.com』を活用し、ソーシャル機能をどのようにしてシステムに組み込んでいくのか。株式会社セールスフォース・ドットコムの岡本充洋氏が、Developers[Social Enterprise]Summit 2012(通称夏サミ)のセッションで実例をもとに紹介した。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
株式会社セールスフォース・ドットコム 岡本 充洋 氏
株式会社セールスフォース・ドットコム 岡本 充洋 氏

ソーシャルプラットフォームの活用で実現する「企業のソーシャル化」

 企業の業務やシステムに、社内外のソーシャルメディアを取り入れる「ソーシャルエンタープライズ」。その実現において岡本氏は「社内、顧客とソーシャル化を進め、最終的に顧客とエンゲージするという3ステップが必要」と語る。それでは、具体的にどのように「企業のソーシャル化」を進めればいいのか。

 もともとFacebookなどのソーシャルメディアは、個人的なコミュニケーションを意図として生まれた。しかし、その中には企業活動に有用なものも多く含まれ、その伝達スピードはすさまじく速い。そうしたスピード感を社内に取り込むこと、それがエンタープライズソーシャルの目的だ。つまり、顧客から発信される情報をいかに受け止め、必要な情報を提供していくかが課題となる。それも一方向だけでなく、企業活動の全方位に向けて行われることが必要だ。

 これを実現する方法の一つが「ソーシャルプラットフォーム」だ。必要要素としては、流れる情報が一目で分かる「アクティビティストリーム」、関係性を示す「ソーシャルグラフ」、そして個人を識別する「ユーザーアイデンティティ」、交流を活性化する「ソーシャルAPI」、そして「アプリケーションをアドオンできる仕組み」の5つがあげられる。その一つの形がセールスフォースの『Chatter』だ。

 ソーシャルAPI開発において、Facebookが他のインフラ上にアプリを準備してリンクしているのに対し、『Chatter』ではそうした横付けタイプはもちろん、Chatterのインフラの上にもアプリを開発することができる。Chatterの中にソーシャルアプリ開発環境の『Force.com』ソーシャルDBの『Database.com』が用意されており、既存言語やOSSなどが使えない分、生産性やスピードに優れている。むろん必要があれば、データベースだけをつかって、Authentication、REST APIやSOAP APIと、HerokuやMobile SDKなどを利用してOSSを使うことも可能だ。

 『Database.com』のアーキテクチャでは、データストレージとして、リレーショナルデータやバイナリデータのほか、ソーシャルデータとしてストリームが置ける。ランタイムカーネルには、クエリエンジンなどが対応し、これらがすべてネイティブ対応であることが大きな特徴だ。しかし、データモデルとしては特殊で、自動的にすべてのデータ自体がフィードの主となるように設定されている。例えば、データが変えられると、人がフィードせずともデータ自身がフィードするというわけだ。岡本氏はこれを「データもつぶやく」と表現した。

 岡本氏は「用途や目的によって、Force.comとOSSを上手に使い分けるのがベター。自由にフィードをApexコードでプログラミングできるところに可能性を感じてほしい」と語り、「エンタープライズ領域でも早い人はすでに実践し始めている。ぜひ、すぐにでも挑戦してほしい」と語った。

プラットフォームの違い:FacebookとChatter
プラットフォームの違い:FacebookとChatter

Chatterを組み込み、ソーシャル・サービス『チームスピリット』を開発

 続いてデジタルコースト株式会社の倉谷彰氏が登壇し、『Chatter』を組み込んだソーシャル・ワークフォースマネジメント・サービス『チームスピリット』の開発について紹介した。『チームスピリット』とは、ビジネスで起こるすべての活動をタイムラインで記録しようというものだ。多くの場合、勤怠管理や経費精算などのシステムは別々に動いており、入力も別々であることが多い。しかし、『チームスピリット』であれば、スマートフォンやブラウザなどでタイムラインに行動を記録するだけで、それぞれのシステムと自動的に連携する。

デジタルコースト株式会社 研究開発グループ エンジニア 倉谷 彰 氏
デジタルコースト株式会社 研究開発グループ エンジニア 倉谷 彰 氏

 倉谷氏は開発について「『Force.com』には認証や権限管理など、汎用的な機能が揃っており、それを最大限活用することで業務に関する機能構築だけに注力し、迅速にシステム開発が行えた」と語った。そして、コードの一部や『Force.com』との連携方法、RestResourceアノテーションを利用したRESTリソースの公開の方法などを紹介し、「実に生産性の高いツールといえる」と評した。

 そして最後に、『Chatter』と『チームスピリット』を導入した事例が紹介された。日報を「つぶやき」として流通させることで業務効率化を図るだけでなく、企業のコミュニケーションも活性化したという。倉谷氏は「小さなアイデアでもお客様の業務が大きく変わることを実感した」と業務システムのソーシャル化の可能性について語り、セッションを結んだ。

お問い合わせ

 株式会社セールスフォース

 http://www.salesforce.com/jp/

この記事は参考になりましたか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/6723 2012/08/30 17:04

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング