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Office 365入門

Office 365は導入価値あるサービスか?(2013年版)

Office 365入門 第1回


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 クラウド版グループウェアサービスであるOffice 365、それは何なのか? 会社に導入価値があるサービスなのかどうかを、実際にOffice 365を導入した管理者の視点でご紹介します。

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編集部注

 本稿の内容を最新の情報に改訂したアップデート版を公開しています。詳しくは「Office 365は導入価値あるサービスか?【増補改訂版】」をご参照ください。

Office 365概要 ~どんなサービスなのか?~

 Office 365の広告が多く打ち出されるようになり、時間も経ちましたので、Office 365というキーワードを目にしたことがある読者が増えた頃だと思います。しかし、実際にOffice 365とは何か? そこまでご存知の方はまだ多くないのではないでしょうか。本連載では、キーワードが先行しかねないOffice 365を実際に使用している著者が概要から初期導入までの流れを詳細に解説していきます。また、本連載のターゲットはレガシーなIT社内環境から、最新のIT社内環境へと移行を検討したいIT管理者の方、社内ITインフラに意識を囚われず、コードを書くことに集中したいプログラマーの方となります。

 では、最初にOffice 365が何で構成されているかご紹介します。

Office 365 ProPlusと各種サーバー製品の混合ソリューション

 Office 365はズバリ、以下の4つから成り立つソリューションです。

  • Exchange Online(メールサーバー・施設設備予約機能も内包)
  • SharePoint Online(情報共有サイト兼、オンラインストレージ)
  • Lync Online(Web会議システム・IM並びにプレゼンス管理)
  • Office 365 Professional Plus

 これらのサービスはそれぞれ個別でも契約できますし、まとめたプランも契約できます。個別契約で全部契約すると若干割高になるので、著者はプランの方をお勧めします(本稿では個別プランについては掲載しません)。

 契約プランは下記のとおりです。

Office 365の契約プラン
プラン名 P1 P2 M E1 E3 E4 K1
推奨利用
ユーザー数
1-10名 1-10名 1-250名 あらゆる
規模向け
あらゆる
規模向け
あらゆる
規模向け
あらゆる
規模向け
最大
ユーザー数
25名 25名 300名 50,000名
ないし
それ以上
50,000名
ないし
それ以上
50,000名
ないし
それ以上
50,000名
ないし
それ以上
契約形態 月極契約 月極契約 年間契約 年間契約 年間契約 年間契約 年間契約
月額費用 490円 1,250円 1,230円 660円 1,800円 1,980円 330円

 ここでは細かなプランの解説はしませんが、簡単に記載すると以下のように分類できます。

  • Pプランは小規模向け
  • Mプランは250名以下の中小企業向け
  • Eプランは柔軟な対応が可能な中規模以上の企業向け
  • Kプランはデスクワークが主ではない業種向け

 規模に応じたプランを選択することが、月額費用を削減するポイントです。

 さて、ここまで記載してお気づきの方も出てくるとは思いますが、Office 365はGoogle社が提供しているGoogle Appsと競合するソリューションです。本稿はあくまでOffice 365にフォーカスを当てていますが、Office 365とGoogle Appsとの違いを簡単ではありますが比較してみたいと思います。

Office 365とGoogle Appsの違い

 まずは比較表をご覧ください。

Office 365 E1、E3プランとGoogle Apps for Business 簡易比較表
ソリューション名 Office 365 E1 Office 365 E3 Google Apps 
メール・カレンダー機能 Exchange Online Exchange Online Gmail/Google Calendar
情報共有サイト機能 SharePoint Online/Office Web Apps SharePoint Online/Office Web Apps Google Sites/Google Docs/Google Drive
在庫管理、IM、Web会議機能 Lync Online Lync Online Google Hangout
Active Directoryを用いたSSO(シングルサインオン) Active Directory Federation Services(以下、ADFS) ADFS ADFSなど
SLA 99.9% 99.9% 99.9%
Office 365 ProPlus 5ライセンスまで
使用可能
価格 660円/一人月
年間7,920円
1,800円/一人月
年間21,600円
600円/一人月
年間6,000円
準拠法 日本法 日本法 カリフォルニア州法
サポート 専用の問い合わせ窓口有 専用の問い合わせ窓口有 専用の問い合わせ窓口有 ※1

 

 表を見ていただくと分かると思いますが、Office 365とGoogle Appsは基本的にできることに変わりはありません。どちらも同じようなことが実現できます。また、どちらのソリューションにもいえることですが、オンプレミスのサーバー上で各機能を構築するのと異なり、保存できるデータファイル容量の大きさ、データの堅牢性、冗長構成やSLA、バックアップを意識しなくても良い点などを考えると、どちらのソリューションも非常に魅力的だといえます。

 ただし、Office 365とGoogle Appsそれぞれ特筆すべきポイントがあります。

  • Office 365はE3プランの場合Office 365 ProPlusが付属する(5ライセンス付)
  • Office 365のSSOはADFSに限定されるが、Google Appsはサードベンダー製のSSO製品にも対応
  • Google Appsは年間契約した際にディスカウントされる(月額600円から500円に)
  • 準拠法がOffice 365は日本法で、Google Appsはカルフォルニア州法

 あくまで著者の感覚ではありますが、ビジネスにおいてMicrosoftのOfficeを利用している企業は非常に多いはずです。では、Officeはどのように入手しているのでしょうか? たいていの場合は、次のどちらかの方法で入手していると思います。

  • 端末購入時のOEM版で購入
  • 会社でまとめてボリュームライセンス購入

 Office 365 E3を契約している場合、端末購入時のOfficeライセンスを追加購入する必要はありません。最近ではOffice開発もOpen XML対応していれば、バージョン依存も回避できます。このように考えると、Office 365 E3プランは比較的魅力的なサービスとして見やすいのではないでしょうか。

 さらに、著者の所属している企業でOffice 365導入する決め手となった理由の一つにOffice 365のテクニカルサポートの質の高さがあげられます。Office 365は利用料金さえ支払えばメール並びに電話でのテクニカルサポートを得られます。追加費用は発生しません。このテクニカルサポートは何件利用しても無償であるため、IT管理者にとって非常に心強い味方となるでしょう。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト ナオキ(ナオキ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

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