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徹底解説JsRender/JsViews

JavaScript MVVMフレームワーク「JsViews」のJsObservableを使ったデータソースの変更と監視

徹底解説JsRender/JsViews 第6回

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 前回はJsViewsの概要と基本的な使い方を紹介しました。今回は、JavaScriptからデータソースの値を変更する方法を紹介します。

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はじめに

 JsViewsではデータソースの値を変更する、およびデータソースの変更を監視する機能を、JsObservableというライブラリとして提供しています。JsObservableを使用すると、以下のことができます。

  • データソースの値をJavaScriptから変更し、再度データバインドを行う
  • データソースの値が変更された際に、通知を受け取り任意の処理を行う

 今回はJsViewsの一部であり、MVVMパターンを実装するために不可欠なJsObservableの使い方を紹介します。

 JsViewsを用いてMVVMパターンを実装する場合、ViewはHTMLで書かれたUIであり、ViewModelはJavaScriptのオブジェクトとして定義されたデータソースです。

 JsObservableは、ViewModelとModelを繋ぐ働きをします。ModelはJsObservableを用いてViewModelを変更し、また、ViewModelが変更された際にJsObservableから通知を受け取ります。

図1:JsObservableの役割
図1:JsObservableの役割

対象読者

  • JavaScriptデータバインドフレームワークに興味のある方
  • WebアプリケーションにおけるMVVMパターンに興味のある方
  • JavaScript、jQueryの基本を理解している方

必要な環境と準備

 JsViewsとjQueryをダウンロードしてください。JsViewsのダウンロードページでjsviews.jsをダウンロードしてください。jsviews.jsにはJsRenderと同様に、JsObservableも含まれています。

 JsViews(jquery.views.js)とJsObservable(jquery.observable.js)を個別にダウンロードすることもできます。個別にダウンロードする際は、JsRender、JsObservable、そしてJsViewsの3つをダウンロードしてください。

プロパティの変更

 JsViewsはデータバインドフレームワークで、データソースとなるJavaScriptのオブジェクトを変更すると、UIであるHTMLが自動的に更新されます。

 JavaScriptからデータソースを変更するには、データソースとなるJavaScriptオブジェクトのプロパティの変更をJsViewsに伝える必要があります。プロパティを変更するには、JsObservableのsetPropertyメソッドを使用します。

 JavaScriptの代入演算子を使用してプロパティを変更しても、JsViewsはデータバインドを行わず、HTMLも更新されないので注意してください。

[リスト1]データリンクタグを含むテンプレート(JsViews2_sample1.html)
<!-- テンプレートの定義 -->
<script id="itemTemplate" type="text/x-jsrender">
  <b>{^{>name}}</b>の値段は<b>{^{>price}}円</b>です。<br/>
  重さは<b>{^{>weight}}グラム</b>です。<br/>
  <img data-link="src{>image.url} alt{>image.alt}" />
</script>

<!-- データバインドを行うHTML要素 -->
<div id="linkedContent"></div><br/>

<!-- ボタン -->
<button id="equalOperatorTest">代入演算子を使用してプロパティの値を変更</button><br/>
<button id="setPropertyTest1">setPropertyメソッドを使用してプロパティの値を変更</button><br/>
<button id="setPropertyTest2">setPropertyメソッドにプロパティのパスを指定して値を変更</button><br/>

<script type="text/javascript">
  // データソースの定義
  var item = {
    name: "みかん",
    price: 100,
    weight: 60,
    image: { url: "images/mikan.png", alt: "みかん画像" }
  };

  // テンプレートオブジェクトを作成し、HTML要素#placeholderとデータソースitemを関連付ける
  $.templates("#itemTemplate").link("#linkedContent", item);

  // 1. 代入演算子を使用してプロパティの値を変更
  // データソースを変更しても、UIは更新されない
  $("#equalOperatorTest").on("click", function(){
    item.name = "ばなな";
  });

  // 2. setPropertyメソッドを使用してプロパティの値を変更
  // データソースの変更に伴い、UIが更新される
  $("#setPropertyTest").on("click", function(){
    $.observable(item).setProperty("name", "りんご");
  });

  // 3. setPropertyメソッドを使用してプロパティの値を変更
  // プロパティのパスを指定する
  $("#setPropertyTest").on("click", function(){
    $.observable(item).setProperty("image.url", "images/apple.png");
  });
</script>
  1. ボタンがクリックされた際に、代入演算子を使用してデーターソースとなるJavaScriptのオブジェクトitemのプロパティを変更します。代入演算子を使用してプロパティを変更しても、データバインドは行われずHTMLは更新されません。
  2. ボタンがクリックされた際に、setPropertyメソッドを使用してプロパティを変更します。setPropertyメソッドは、$.observable(データソースのオブジェクト).setProperty(変更するプロパティのパス, 値)のように呼び出します。
  3. setPropertyの第1引数にパスを指定できます。
図2:JavaScriptからプロパティを変更
図2:JavaScriptからプロパティを変更

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト やましぎ(ヤマシギ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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