はじめに
第5回では、対話型インタプリタの機能強化や高速化といった実行環境の改良、エラーメッセージの改良や新しい型関連機能、そしてモバイルプラットフォームのサポートを中心に紹介します。
機能 | 概要 |
---|---|
対話型インタプリタの機能強化 | 多色化による視認性の向上、複数行編集、ファンクションキーへの機能割り当てなどで使いやすく |
CPythonの高速化 | グローバルインタプリタロック(GIL)の廃止に向けた修正(フリースレッドモード)、JITコンパイラの実験的なサポート、新しいメモリアロケータ(mimalloc)などで実行が高速に |
エラーメッセージの改良 |
Python 3.12でも改良されたエラーメッセージの内容が、より的確になりわかりやすく |
新しい型関連機能 | 型パラメータにおける既定値のサポート、typing.TypeIsによるユーザ定義型の関数戻り値の注釈、typing.ReadOnlyによる型付き辞書における読み出し専用要素の指定、クラスなどの廃止を明示するwarnings.deprecated()デコレータなど |
モバイルプラットフォームのサポート | iOSとAndroid OSのサポートなど |
その他の変更 | ドキュメント文字列のインデント除去、local関数の挙動の統一など |
対象読者
- Pythonの最新の機能を把握したい方
- Pythonの経験者で、Pythonに改めて入門したい方
- プログラミング言語の最新パラダイムに関心のある方
必要な環境
本記事のサンプルコードは、以下の環境で動作を確認しています。
-
macOS Sonoma
- Python(3.12.6、3.13.0)
- Visual Studio Code 1.93.1(Python v2024.16.1)
サンプルの実行
掲載サンプルは、それぞれの.pyファイルに記述されています。動作確認は、Python 3.13、3.12をHomebrewでインストールしたmacOS上で、拡張機能「Python」をインストールしたVSCode(Visual Studio Code)で行っています。実行はターミナル上で各バージョンのPythonインタプリタを直接起動しています。