ギークスは、案件数と案件を探すITフリーランスの人数から算出した「案件倍率」をまとめた、「ITフリーランス案件倍率レポート」を11月7日に発表した。同レポートは四半期に一度発表されており、今回は2024年7月〜9月の案件倍率がまとめられている。
同レポートによれば、7月〜9月は案件数・案件を探すフリーランスともに、前年度同時期と比較して増加しており、案件倍率は7月が9.27倍、8月が10.36倍、9月が9.43倍で、四半期累計では9.66倍となった。
案件数は、前年度と比較して7月が125%、8月が111%、9月が100%と推移している。案件の内訳としては、基幹システムの刷新やリプレイス、業務効率化のための自社ツール・データの分析といった、企業におけるDX推進にともなう案件の増加がみられた。それにあわせて、組織マネジメントやプロジェクトマネジメントに関する知見を有するプロジェクトマネージャーへの需要が高まっている。
企業からの需要が高いスキルとしては、JavaやTypeScript、PHP、Pythonの人気が高い。また、能動的に情報をキャッチアップしてメンバーに発信するスタンスや、円滑なコミュニケーション能力などを求める声もあり、案件参画に対する判断基準が多様化している。
案件を探すITフリーランスの人数は、前年度と比較して7月が140%、8月が112%、9月が116%と増加傾向にある。年代別では、20〜30代の登録者が増えている。
10月〜12月のトレンド見込みとしては、例年通り翌1月以降に開始される案件に向けて、IT人材の確保に動き出す企業が増えることから、案件数が10月後半〜11月に増加すると予想される。案件は、購買プロセスの変化への対応や慢性的な人材不足によって、小売業界などのDX化が進むとみられることから、増加が見込まれる。案件を探すフリーランスは、案件数の動きと同様に1月以降開始の案件に向けて動き出す人が増えると予想している。
そのほか、生成AIに関心を持つITフリーランスが多く、ツールとしてAIを導入している企業はITフリーランスからの人気が高い傾向にある。フルリモートワークやハイブリッドワークでの参画を受け入れる企業は、引き続きITフリーランスからの人気を集めている。一方で、多様な働き方を許容するのにあわせて、採用のハードルも高まっており、スキル以外のコミュニケーション能力や自発性を重視する企業が増えつつある。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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