Elastic Database Poolのための新たな基本層とプレミアム層
今年初旬の//Buildカンファレンスで、Azureでの新しいElastic Database Poolサポートを発表し、その標準層エディションのパブリックプレビューを公開しました。標準層では、Elastic Database Pool内の個々のデータベースは、パフォーマンスのために100 eDTU(DTUとは、計算、IO、ストレージ性能の組み合わせを表します)までバーストできます。
今回より広い範囲のパフォーマンスおよび費用オプションを可能にするため、プレビューに基本層およびプレミアム層のElastic Database Poolを追加します。
- 基本層のElastic Database Poolは、軽い使用のSaaSシナリオに最適です。基本層のElastic Database Poolでは、個々のデータベースのパフォーマンスは5 eDTUsまでバーストできます。
- プレミアム層のElastic Database Poolは、データベースごとに最高のパフォーマンスが必要なデータベースのために設計されています。プレミアム層のElastic Database Poolでは、個々のデータベースのパフォーマンスは1000 eDTUsまでバーストできます。
まとめると、これら3つのElastic Database Pool料金層オプションは、SaaS開発者が利用するにあたり、非常に大きな柔軟性と選択性が提供されることになり、多種多様なシナリオが可能になるように設計されていると思います。
料金層間の簡単なデータベース移行
サポートされている素晴らしい機能の1つが、異なるElastic Database Pool間(異なる料金層のものも含む)で個々のデータベースを簡単に移行する機能です。例えば、SaaS開発者の場合、お客様なしのアプリケーション試用版で始め、費用効率を大きく高めるために基本データベースプールによるデータベース実行を選択します。お客様の使用量が大きくなれば、ダウンタイムなしの標準データベースプールに自動的に移行できます。もしお客様が膨大なリソース量を必要とするようになった場合は、プレミアムデータベースプールに移行したり、または膨大なリソース容量を持つスタンドアロンのSQLデータベースとしてデータベースを実行できます。
これにより、非常に大きな柔軟性と機能が提供され、より優れたアプリケーションが構築できます。
Elastic Database Poolの管理
Elastic Database Poolのもうひとつの素晴らしい点は、実行するインフラを気にすることなく、大規模なデータベースコレクションを簡単に管理できる機能が提供されていることです。
Azure管理ポータルを使用して、またはコマンドラインツールやREST管理APIを通じて、Elastic Database Poolを作成および管理できます。今回の更新で、Elastic Database Poolに対して新しいデータベースの追加/削除するためにT-SQLが使用できるサポートも追加しています。さらにデータベースによる使用率の監視および追跡をより簡単にするために、Elastic Database Pool内のデータベースリソースの使用率を測定するT-SQLサポートも追加しています。
Elastic Database Pool層機能
プレビューの間、Elastic Database Poolの密度を制御するパラメータ数を調整しているのですが、今後も継続します。
具体的には、プール当たりのデータベース数とプールのeDTU数に対する現在の制限を、一般公開リリースに近づくにつれ着実に増加させていくようにしています。計画では、99.99%の可用性のSLAを維持しながら、プール当たりの最高密度、最大プールサイズ、Elastic Database Poolの最大経済性を提供することになっています。
以下は、現在のプレビューにおける各Elastic Database Pool層のパフォーマンスパラメータです。
基本層 | 標準層 | プレミアム層 | |
---|---|---|---|
プール毎のeDTU範囲(プレビュー制限) | 100-1200 eDTU | 100-1200 eDTU | 125-1500 eDTU |
プール当たりのストレージ | 10-120GB | 100-1200GB | 63-750GB |
プール毎の最大データベース(プレビュー制限) | 200 | 200 | 50 |
毎月のプールとアドオンeDTU費用見積(プレビュー価格) |
$0.2/時から($149/プール/月まで) 各追加eDTU $.002/時($1.49/月まで) |
$ 0.3/時から($223/プール/月まで) 各追加eDTU $0.003/時($ 2.23/月まで) |
$0.937/時から($697/プール/月まで) 各追加eDTU $0.0075/時($5.58/月まで) |
eDTU当たりのストレージ | eDTU当たり0.1GB | eDTU当たり1GB | eDTU当たり5GB |
基本層 | 標準層 | プレミアム層 | |
---|---|---|---|
データベース毎のeDTU MAX(プレビュー制限) | 0-5 | 0-100 | 0-1000 |
DB当たりの最大ストレージ | 2GB | 250GB | 500GB |
DB費用当たり(プレビュー価格) | $ 0.0003/時($0.22/月まで) | $0.0017/時($1.26/月まで) | $0.0084/時($6.25/月まで) |
上記のパラメータ上で反復を継続し、プレビューを通じて進行するにつれ、プール当たりのデータベース最大数を増加させますので、それに対するフィードバックを頂けると幸いです。
新しいハイスケールのSQLデータベースパフォーマンス層
Elastic Database Poolの機能強化に加え、スタンドアロンデータベース用の新しいSQLデータベースプレミアムパフォーマンス層オプションもリリースします。
スケールアップしたいSQLデータベースに対して、さらに高いパフォーマンスデータベースオプションを提供する新しいP4(500 DTU)とP11(1750 DTU)レベルを追加します。現在、新しいP11エディションも1TBまでデータベースをサポートしています。
開発者は、10種類のSQLデータベースパフォーマンスレベルから選択できます。データベースのダウンタイムや中断なく、任意の時点で必要に応じ、簡単にスケールアップ/スケールダウンできます。各データベースのパフォーマンス層は、99.99%のSLA、追加料金なしのビルトインされた複数の高可用性レプリカサポート(つまり、各データベースにビルトインされているため、SLAを取得するために複数のインスタンスを購入する必要がありません)、ダウンタイムなしのパッチ適用、ポイントインタイムリカバリオプション(バックアップなしのリストア)、データのTDEの暗号化、行レベルセキュリティ、フルテキスト検索をサポートしています。
詳細について
SQLデータベースの詳細については、http://azure.microsoft.comウェブサイトでご確認ください。SQLデータベースが提供する機能については、SQLデータベース製品ページ、また素晴らしいアプリケーションの構築方法については技術文書をご確認ください。
まとめ
今回のデータベース更新により、さらに優れたクラウドアプリケーションを構築し、それらをよりリッチでよりインテリジェントなものにするデータ利用が可能になります。あなたが構築したソリューションを見れることを非常に楽しみにしています。
Hope this helps,
Scott