ASP.NET Core 2.0をはじめる準備をしよう
ここからは、実際にASP.NET Core 2.0のアプリケーションを作成していきます。その前にまずはツールの準備を整えましょう。ASP.NET Core 2.0での実装にはまず、.NET Core 2.0のインストールと、Visual Studioのインストールまたは更新が必要となります。
.NET Core 2.0のインストール
.NET Core SDKのダウンロードサイトにアクセスしてインストーラーをダウンロードします。インストーラーを起動し、手順に沿って.NET Core SDKをインストールします。インストール完了後、リスト3のようにターミナルでdotnetコマンドを実行し、バージョン番号が「2.0.0」以上となっていればインストールは成功です。
$ dotnet --version 2.0.0 $
Visual Studioのインストール
これから新たにVisual Studioを使い始める方は、先ほどの.NET Core 2.0のダウンロードサイトの下部にある「Get an editor」の項の「Download Visual Studio」のリンクをクリックするとインストーラーがダウンロードされます。インストーラーを起動し、手順に沿ってインストールを進めてください。
注意
ここで説明している「Download Visual Studio」のリンクからダウンロードできるインストーラーはVisual Studio Communityエディションのものです。
Visual Studioを商用利用する場合は、ProfessionalまたはEnterpriseのエディションを選択する必要があります(Windows、macOS共に)。これらはインストール後90日間であれば試用することができますが、それ以降はサブスクリプションの購入が必要となるのでご注意ください。
Professional、EnterpriseエディションのインストールはVisual Studio のダウンロードページを、価格やサブスクリプションの購入に関してはVisual Studioの価格のページを参照してください。
Visual Studioのアップデート
Windowsで既にVisual Studioをお使いの場合は、Visual Studioのバージョンを15.3に更新する必要があります。Visual Studioを開き、メニューバーの[ツール]→[拡張機能と更新プログラム]を選択し、表示されたダイアグラム左側のメニューから[更新プログラム]→[製品の更新プログラム]を選択すると「Visual Studioの更新 15.3.X」が表示されます。[更新]ボタンをクリックすると別途インストーラーが開いてVisual Studioの更新が行われます。
なお、macOS用であるVisual Studio for Macは、ASP.NET Core 2.0プロジェクトを利用するためのバージョン要件は明記されていませんが、最新バージョンへのアップデートをお薦めします。
.NET Coreクロスプラットフォームの開発ワークロードの追加
最後に.NET Coreでの開発に使うツール類をVisual Studioに追加しましょう。[ツール]→[ツールと機能を取得]を選択すると「Visual Studio インストーラー」が開きます。「インストール済み」の一覧にインストールしたVisual Studioが表示されているので、[変更]ボタンをクリックします。ワークロードタブの中から、「.NET Core クロスプラットフォームの開発」のワークロードを選択し、[変更]ボタンをクリックしてツールを追加します。
ASP.NET Core 2.0でHello World
.NET Core 2.0とVisual Studioのインストールおよび更新が完了したら、いよいよASP.NET Core 2.0のアプリケーションを作成してみましょう。今回は動作確認も兼ねて、Razor PagesのプロジェクトをVisual Studioとコマンドライン(dotnetコマンド)から作成します。
Visual StudioからRazor Pagesプロジェクトの作成と実行
メニューバーから[ファイル]→[新規作成]→[プロジェクト]を選択します。「新しいプロジェクト」ダイアログが表示されたら、左側のメニューを[インストール済み]→[Visual C#]→[.NET Core]と展開し、「ASP.NET Core Web アプリケーション」を選択します。プロジェクトの名前、場所、ソリューリョン名を指定して[OK]ボタンをクリックします。
次に、作成するASP.NET Coreアプリケーションのプロジェクトテンプレートを選択する画面が表示されます。ランタイムとバージョンのプルダウンがあるので「.NET Core」と「ASP.NET Core 2.0」を選択します。するとASP.NET Core 2.0で利用可能なプロジェクトテンプレートが表示されるので、「Web アプリケーション」を選択して[OK]ボタンをクリックします。
これでプロジェクトが作成されたかと思います。この状態で[実行]ボタン(IIS Expressと表示されている部分)をクリックしてアプリケーションを実行してみましょう。ブラウザが起動して、図9の画面が表示されればアプリケーションは正常に起動しています。
コマンドライン(dotnetコマンド)からRazor Pagesプロジェクトの作成と実行
次はdotnetコマンドを使ったRazor Pagesプロジェクトの作成と実行方法を見てみましょう。リスト4では、プロジェクトの作成から実行までをしています。
$ dotnet new razor -o razor-sample テンプレート "ASP.NET Core Web App" が正常に作成されました。 ・・・中略・・・ $ cd razor-sample $ dotnet run Hosting environment: Production Content root path: <プロジェクトのパス> Now listening on: http://localhost:5000 Application started. Press Ctrl+C to shut down.
「dotnet new」コマンドで新しい.NET Core 2.0のアプリケーションを作成します。その後ろの「razor」はプロジェクトテンプレート名となっており、Razor Pages用のテンプレートを使ってプロジェクトを作成するように指定しています。「-o」オプションに作成するプロジェクトの名称を指定するとカレントディレクトリにプロジェクト名称でディレクトリを作成し、その中でコード一式を作成します。
なお、他のテンプレートについて知りたい場合は、「dotnet new --help」とコマンドを実行することで指定可能なプロジェクトテンプレートの一覧を表示させることができます。
プロジェクトの作成完了後、プロジェクトディレクトリに移動して「dotnet run」コマンドを実行するとアプリケーションを実行することができます。コマンドの出力内容にアプリケーションが起動しているURLが表示されるので、ブラウザからアクセスするとVisual Studioで起動した時と同様の画面が表示されると思います。
おわりに
今回はASP.NETの概要からASP.NET Core 2.0で追加された新機能、インストールから実行方法までを紹介しました。次回は、Razor Pagesを使ったアプリケーションの作り方について詳しく説明します。
