米Amazon Web Services(AWS)は、新たなコンテナサービスとして、「AWS Fargate」の提供、および「Amazon Elastic Container Service for Kubernetes」(Amazon EKS)のプレビュー提供を、11月29日(現地時間)に開始した。
Amazon Web Services、「AWS Fargate」と「Amazon Elastic Container Service for Kubernetes」の提供を開始
AWS Fargateは、AWS上にコンテナを簡単にデプロイできるサービス。Amazon EC2に類似しているが、EC2における仮想マシンの代わりに、AWS Fargateではコンテナを提供する。
コンテナイメージを作成し、CPUとメモリ容量を指定、ネットワークとIAMのポリシーを定義して起動するだけで利用でき、Amazon Virtual Private Cloud、AWS Identity and Access Management(IAM)、Amazon CloudWatch、およびロードバランサとの統合が可能になっている。
Fargateタスクは、コマンドラインから、またはコンソールのタスク定義において、タスクを「FARGATE」タイプに指定して起動できる。
価格体系はオンデマンドプライシングモデルを採用し、アプリケーションが消費するvCPUおよびメモリリソースに応じて、1秒単位で請求される。vCPUあたりの価格は1時間0.0506米ドルで、1GBあたりのメモリは1時間0.0127米ドル。また、50に及ぶvCPUとメモリの構成オプションを用意しているので、多彩なワークロードに対応する。
現段階ではアメリカ東部(バージニア州北部)で利用可能で、2018年にはAmazon EKSとの連携も予定している。
「Amazon Elastic Container Service for Kubernetes」(Amazon EKS)は、コンテナ管理ツールであるKubernetesを使って、AWS上でのコンテナ管理を可能にするサービス。Kubernetesの上位バージョンを使用するため、既存のすべてのKubernetesプラグインを利用できる。
Amazon EKS上で動作するアプリケーションは、標準的なKubernetes環境で動作するアプリケーションと完全な互換性を備えているので、既存のKubernetesアプリケーションをコードの変更なしで移行可能となっている。
3つのアベイラビリティゾーンを介して、3つのマスタを持つKubernetesを自動的に実行することで、アベイラビリティゾーンの喪失を防いでおり、不健全なマスタを自動的に検出して置き換えたり、マスタの自動バージョンアップとパッチ適用を行う機能を備える。
さらに、Elastic Load Balancing、AWS Identity and Access Management(IAM)、Amazon VPC、AWS PrivateLink、AWS CloudTrailなど、AWSの主要な機能が統合されている。
具体的には、Heptioとの連携によってIAM認証とKubernetesのアクセス制御システムであるKubernetes RBACを統合し、各IAMエンティティにRBACロールを直接割り当てることで、Kubernetesマスタへのアクセス許可を細かく制御し、kubectlなどのKubernetes標準ツールによるKubernetesクラスタ管理を実現する。
PrivateLinkを使用した、Amazon VPCからのKubernetesマスタへのアクセスも可能で、PrivateLinkではKubernetesマスタとAmazon EKSサービスのエンドポイントが、Amazon VPCのプライベートIPアドレスを持つネットワークインターフェースとして表示され、Amazon VPCからKubernetesマスタとAmazon EKSサービスに直接アクセスできる。
このほか、KubernetesポッドにおけるAmazon VPCネットワークのネイティブ使用を可能にする、AWS上のKubernetesクラスタで使えるオープンソースのCNIプラグインも用意している。
【関連リンク】
・Amazon Web Services
・「Amazon Elastic Container Service for Kubernetes」(英語)
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