データプラットフォームの開発の目玉はオープン
井上氏のキーノートのタイトルは「Build Intelligent Apps with Microsoft Data Platform」。Connect(); 2017で発表されたデータプラットフォームに関連する機能を紹介するという。
「データプラットフォームはハイブリッド、オープン、インテリジェントという3つの軸で開発が進んでいるが、今回の発表の目玉はオープン」と井上氏は説明する。
最近リリースされたSQL Server 2017は、WindowsはもちろんLinuxや、Dockerでも動くようになっている。SQL Serverはもともとパフォーマンスの良さは知られているが、さらに強力な機能が追加されたという。例えば、アダプティブクエリというクエリパフォーマンスを自動で向上する機能はその一例だ。「SQL Server 2017は自動的に一番最適で早い実行パターンを割り当て、最速のスピードで応答が返ってくるという仕組みが入っている」と井上氏。
他にも、データベースの中でRやPythonが動いたり、ソーシャルグラフが簡単に作れるようになったり、マシーンラーニングで学習済みのモデルをT-SQLから読んだりできたりといった新機能が追加された。
「SQL Server 2017はすでにプロダクション環境で使われており、効果も出ている」と井上氏。DBO2というファイナンシャルの会社では、SQL Server 2017を投資家の投資向けのレポート作成に活用。当初はAWSとRDS(Amazon RDS)で考えていたが、パフォーマンス面からSQL Server 2017を採用したという。
またLinuxやMac上でより便利にSQL Serverを管理するためのツールとして、SQL Operation Studioが登場。SQL Server、Azure SQL Database、Azure SQL Data Warehouseをサポートしており、簡単にインストールできる。「無料で使えて、非常に使い勝手も良い。ぜひ試して欲しい」と井上氏。
100%互換のフルマネージドのSQL Server「Managed Instance」
続いて井上氏が紹介したのはAzure SQL Databaseというクラウドネイティブのフルマネージド版のSQLサーバーである。「7年ぐらい提供しているが、SQL Serverに追加される機能が先行して、こちらで提供される。今回、新しくRSが登場した」と井上氏。RSはアベイラビリティを減らして、その分価格を下げるというもの。ストレージの容量によってコストが変わってくるモデルが投入されたというわけだ。
Azure SQL DatabaseはSQL Serverの機能が先行して入るとは伝えたが、オンプレミスのSQL Serverのすべての機能がSQL Databaseで使えるわけではない。「そこで使ってほしいのが、Managed Instanceだ」と井上氏。同機能はまだプレビュー段階だが、これを使えば100%互換のフルマネージドのSQL Serverを使えるようになるという。アプリの互換性はもちろん、Azure SQL Databaseとインフラは同じなので、可用性も高い。VNetやプライベートIPOアドレスにも対応している。「Expressルートを経由してSQL Databaseに直接アクセスできるようになる」と井上氏。
しかもManaged Instanceはインスタンスレベルなので、インスタンスの下にデータベースを置き、管理することができる。修正プログラムはAzure側が管理。「性能的にも一般的な用途とビジネスクリティカルな用途という2つのサービス層を用意している」と井上氏は説明する。同ツールは2018年上期に正式にリリース予定している。
さらにConnect(); 2017の基調講演ではAzure Database Migration Servicesのデモも行われたという。「今までオンプレミスで使っていたSQL Server 2008 R2を簡単にAzure DatabaseのManaged Instanceに移行できるようになる。これはmySQLやPostgreSQLにも対応して行く予定」と井上氏は言う。
そのほかにもAzure Database for PostgreSQLとAzure Database for mySQL、さらにはAzure Database for MariaDB、さらにはAzure CosmosDBというペタバイトクラスのデータ、1秒間に数百万のトランサクションが扱えるようになるグローバル規模の分散データベースについても簡単に紹介された。
最後に最も大きな発表として井上氏が紹介したのがAzure Databricksである。Databricksを提供している米Databricks社はSparkの開発会社でもある。つまり、Databricks上のSparkをAzureで展開できるようになったということだ。「これはマイクソフトがファーストパーティとしてSparkのマネージドサービスを提供するということ」と井上氏。詳しいことはAIのセッションでと最後に付け加えて、井上氏のキーノートは終了。
後半はConnect(); 2017の新しい発表のエッセンスを駆け足で紹介するというものだったが、キーノートだけでも十分、マイクロソフトが今後、取り組むべき方向性が見えるイベントだった。
