本音の議論が飛び交うCTAサミット
「私たちがここで発言した内容は、将来の企業買収に影響を与えるのだろうか」
「それは約束できないが、重要な意見は積極的に取り入れていく」
第1回CTAサミットでは、冒頭からそんな意欲的なやり取りが飛び交った。この発言からわかるように、同サミットに集まったCTAはSalesforceの社員だけではない。例えば、日本からはテラスカイの今岡純二氏(取締役)やアクセンチュアの小林清一郎氏(シニア・マネジャー)など、Salesforceのシステム構築や運用を支援するアプリケーション・インテグレーター事業者からも多くの取得者が参加している。
2日間にわたるCTAサミットでは、Salesforceの製品開発戦略まで踏み込んだ情報提供と自由なディスカッションが行われた。
「MuleSoft(ミュールソフト)を買収してどういう世界を作りたいのか、どれぐらいのスピード感でやろうとしているのか、今年から来年はどんな風になっていくのか、というようなことがここに参加するとわかります」と語るのは、同サミットに参加したPwCコンサルティングの迫田誠太郎氏(シニアマネージャー)だ。
同氏はCTAサミットの良さを次のように分析する。
「今回のCTAサミットに参加したことで、お客様に『どうやって会社を変革していくのか』『どんな未来が切り開けるのか』を提案することができるようになります。また、そのようなことを話せる、そうした貢献ができるメンバーが集まっています」
同様にアクセンチュアの小林清一郎氏は「(冒頭に)Salesforceの社員が『ほかのところでは話さない内容を話します』と言ってくれましたが、本当にかなり突っ込んだ内容でした。厳しい質問に対しても、正直に答えてくれるのが印象的でした」とCTAサミットを評価する。
また、「大企業のアーキテクチャーを、きちんとSalesforceの視点から考えられる人材が、ますます必要になってきていると思います。今後も、CTAというキャリア、CTAという役割に対するニーズは、さらに高まるのではないでしょうか」とその役割を分析する。
加えて「米国アクセンチュアのCTAと話をしていたら、アクセンチュアに世界15名いるCTAの内13名が参加していることに驚きました。CTAと言っても、全体を統括するCTAがいたり、いわゆるソフトウエア開発にすごく強いCTAがいたり、また、データ連携に強いCTAがいたりとさまざまです」と述べ、将来、それぞれの専門領域に特化したCTAも重要ではないかと小林氏は指摘する。