コーディングを駆使するディベロッパー・キーノート
一方、本格的なコーディングをカバーするディベロッパー・キーノートでは、150を超えるベース・コンポーネントやCLIやVisual Studio Codeへのサポート(ベータ版)といったプロフェッショナル向けコーディングサポートツールが発表された。
また、SalesforceのPaaS 基盤Herokuを使った拠点間VPNコネクションや社内プライベート空間におけるルーティング設定、Dockerイメージ構築ツールなども紹介された。同デモンストレーションではLightning Developer Pro(パイロット版)を開き、各種コードのパラメータを指定しながら、米国最大の中古車販売カーマックス社(CarMax)の営業メンバー管理用モバイルアプリの構築を行なった。
続いて、UCSF Medical Center(カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校附属病院)向けアプリでは、MuleSoftを使ったAPIインテグレーションのデモンストレーションも紹介された。
同デモは、患者に取り付けられた圧力センサーのデータとレガシー・システム内にある患者データなどを統合し、視覚化するアプリケーションの構築で、大きく3つのステージに分かれる。
まず、簡単なカスタムAPIを作って試験用の統合アプリを制作する。続いて、レガシー・システムから具体的なデータを取り込み、統合する。最後に、カスタムAPIをベースにライブラリーから本番用コネクターやAPIを探し、アプリケーションを完成させた。具体的なデータ統合段階では、過去のプロジェクト・リストから適当なAPIを指定し、そのソースコードを確認修正し、入力データのフロー・フォーマットを指定する作業などを見せている。
また、同キーノートでは、AIサービスのEinstein Voice Assistantsの応用として、コーディング・レベルでカスタム・ロジック・フローのトリガーを設定するデモも行われた。
これはイベント・チケット販売最大手の米チケットマスター社(Ticketmaster)のシステムを使ったデモで、Einstein Assistant Templateのソースコードなどを活用しながら、チケット購入確認用サイトに音声応答機能を搭載した。
Salesforceといえば、ノンコーディング・プログラミングに目を奪われがちだが、現実は本格的なコーディングによって高度なオートメーション化された開発環境を提供している。
多くの大企業がSalesforceを導入する理由は、多言語・多通貨に対応した「グローバル・ワン・アカウント」の大規模カスタマー管理を構築できるからだ。そこでは当然、レガシー・システムとの統合が不可欠で、最新のコーディング開発環境を提供する必要がある。
企業のシステム管理部門やサードパーティーにとって、コーディング環境が不十分であれば、Salesforceの導入は十分な効果を発揮できない。そのためCTAのような高度な資格認定制度を置き、本格的なプログラマーの腕を振るえるよう最新のEinstein Voiceなどにおいてもコーディングによるカスタマイズを同時に提供している。
ディベロッパー・キーノートの冒頭、グーグルのDavid Liu氏(テクニカル・アーキテクト)が上級アドミニストレータとして登壇し、開発について語る姿は、Salesforceの本格的なプログラマー対応を如実に示していると言えるだろう。
グーグルのDavid Liu氏
