期待感が高まるiPaaS対応姿勢
今年のDreamforceでは、Customer Success 360やMuleSoftが紹介され、インテグレーション分野に注力していくことが示された。これは同社を支えてきたサードパーティーであるアプリケーション・インテグレーター事業者に大きな影響を与える。
Salesforceは約50製品を買収して拡張してきたため、複数のプラットフォームを内包している。例えば、Sales CloudとService Cloudは同じデータモデルだが、Commerce CloudやMarketing Cloudはプラットフォームが違うため、データモデルも違ってくる。
従来、これらを統合するためにはコネクターやAPIを利用するが、そのやり方に公式なルールは存在しなかった。それこそサードパーティーに在籍するプロフェッショナル・ディベロッパーたちがそれぞれの工夫を凝らして統合する「腕の見せ所」でもあった。しかし、今回紹介されたCustomer Success 360は、Salesforce製品群の公式な統合手法へと発展する可能性も秘めている。
同様にMuleSoftは、SAPやOracle、Microsoftなどが力を入れるiPaaS(Integration Platform as a Service)対抗サービスといえる。つまり、Salesforce製品とバックエンドの基幹アプリケーションをつなぐ役割を担う。
Customer Success 360やMuleSoftが充実すれば、アクセンチュアの小林清一郎氏が指摘した「Salesforceの視点から大企業のアーキテクチャーを提案していく」世界へと進むだろう。
CTAサミット最終日に開催されたレセプション・パーティーでは、そうした点が話題になった。例えば、テラスカイの今岡純二氏は今後のSalesforce製品群の統合について「現時点では、まだ公式なルールはありませんが、今後、そうした方向に進むことはわかりました。MuleSoftも買収したばかりで、Salesforceに最適化されているわけでもないですから、自社のツールを使うか、公式なツールを使うかはケースバイケースです。今後の展開が楽しみですね」と指摘する。
また、同社の山田昌義氏(プリンシパルアーキテクト)は「同じ会社のCTAでも私と今岡では、プロジェクトの考え方やアプローチが違ってきます。(アプリケーションの統合という)企業全体のアーキテクチャーとなると千差万別で、なかなか一定のルールには収まりきれないかもしれません」と感想を述べている。
