AdobeはAdobe Labsを通じて、「Apollo Runtime Alpha」をリリースした
Adobeは19日、Adobe Labsを通じて「Apollo Runtime Alpha」をリリースした。ランタイム並びにSDKは、Adobe Labsから無償でダウンロードできる。
Apollo Runtimeは、Javaランタイムや.NET Frameworkと同じ、デスクトップアプリケーションの実行環境。Apollo上では、Flash、PDF、HTML、Ajax(JavaScript)を動作させることができ、ブラウザ上でのユーザーインターフェイスよりもはるかに豊かな表現を実現させることができる。
今回のアルファ版リリースに合わせ、サンプルも用意されているので、実際に動作させてみよう。
1.Apollo Runtime Alphaのインストール
まずはランタイムをAdobe Labsのサイトからダウンロードする。Windows版の場合、msiファイルをダウンロードし、インストールすることになる。
2.サンプルアプリケーションのダウンロード
Apolloサンプルアプリケーションのサイトから、サンプルアプリケーションをダウンロードする。ここでは上から2番目の「Maptacular」をダウンロードしよう。「Maptacular.air」というファイルをダウンロードすればOKだ。
3.Maptacularのインストール
Apolloは、airファイルをインストールすることによって実行できるようになる。ダウンロードした「Maptacular.air」を実行するとインストールが開始される。なお、ここではチェックボックスにチェックを入れたままでインストールしておく。
4.Maptacularの実行
デスクトップ上にショートカットが作成されるので、これを選択することで、Apolloアプリケーションが実行される。
5.Maptacularについて
アプリケーションが起動すると、Google Mapsの画面が表示される。一見すると単にブラウザが開いただけのようだが、このウィンドウ全てがApolloアプリケーションとなる。カーソルをウィンドウの左端に持って行くとメニューが表示される。
一番上の「Adobe」から「Work」を選択し、画面上にドラッグ&ドロップすると、アニメーションと共にAdobe本社周辺の地図が表示される。
このアプリケーションは、デモとしてルート情報を表示させることができる。試しにここからラスベガスまでの道のりを表示させてみよう。吹き出しの「To here」をクリックし、「Las Vegas」と入力する。
Goを選択すると、ラスベガスまでの道のりが表示される。
Apolloの実力とは
サンプルアプリケーションを見てわかるように、ApolloはAjaxやHTML、そしてFlashを、デスクトップアプリケーション上で簡単に組み合わせることができるランタイムだ。しかもHTML上にFlashメニューを表示させるなど、通常のブラウザよりも表現の幅が広い。また、このアプリケーションではウィンドウのデザインはWindowsのものだが、これらは全てカスタマイズし、独自にデザインすることもできる(そうしたサンプルアプリケーションも公開されている)。
最終的にはPDFやFLVを表示させたり、PC内の画像ファイルや音楽ファイルを操作させることも可能になる予定で、「単なるガジェット」ではない、新しいデスクトップアプリの実行環境として展開されていくことになる。
Apolloの開発はSDKを通じて、Flex BuilderやDreamweaverといった開発ツールで行える。Apolloの正式版リリースは今年秋以降の見込みとなっている。
プレスリリース:アドビ システムズ社、画期的なアプリケーション実行環境、Apolloのパブリックアルファ版をAdobe Labsで公開
Adobe Labs:Apollo
CodeZine:アドビ、FlashとPDFを融合した新しい実行環境「Apollo」を発表
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です