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Amazon Goを再現するべく奮闘! ついに実店舗もオープンした「横田deGo」プロジェクトの軌跡【デブサミ2019】

【14-E-1】Amazonの文化をハックせよ。AWSをフル活用して無人レジの仕組みを作ってみた~横田deGoプロジェクト~

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2019/04/08 11:00

 「レジなし無人スーパー」として米国シアトルで一般公開され、各方面で大きな注目を集めた「Amazon Go」。その内容に衝撃を受け、日本国内でも「レジなし店舗」を実現・実践した取り組みが少しずつお披露目されてきています。「Developers Summit 2019」で行われたクラスメソッド株式会社 代表取締役 横田聡氏のセッションでは、Amazon Goの先進性・革新性にいち早く注目し、また驚異的なスピード感で「レジなし店舗」実現を果たした、通称「横田deGo」プロジェクトのこれまでの経緯について詳細な内容が語られました。本記事ではその模様をレポートします。

目次
クラスメソッド株式会社 代表取締役 横田聡氏
クラスメソッド株式会社 代表取締役 横田聡氏

【シーズン1】新技術を積極的に取り入れプロジェクトがスタート

 社内でツアーを組み、お客さま二十数名の参加を併せて募る形で、レジなし店舗「Amazon Go」を現地シアトルで体験するツアーを行ったのが2018年5月。「都合3回の渡米で合計30回くらい、それこそアカウントがBAN(禁止・廃止)されるんじゃないか、と思うくらいさまざまなところを見ていた」といいます。

Amazon Goのさまざまな部分に興味津々だったという横田氏
Amazon Goのさまざまな部分に興味津々だったという横田氏

 当時の状況を振り返りつつ、横田氏はAmazon Goを以下のように評しました。

 「当初、仕組み周りについては『何かをやっているはず』なんだけど分からない状況でした。来店したお客さんがITエンジニアでなくても、最新テクノロジーを普通に体験できていることが一番すごいことだな、と思いました」(横田氏)

 ツアーから帰国後、「これ(Amazon Go)を作ります」と横田氏は社内にて宣言。最初はドン引きされつつも、興味を持った8名のメンバーと共に、直近に予定されていた小売り関連の勉強会で発表を行う目標を定めました。こうして、「横田deGo」プロジェクト:シーズン1が2018年06月にスタートしたのです。

 クラウド(AWS)やモバイルを専業にしているクラスメソッドでは「分かるところは極力、マネージドサービスを使ってパーツを組み合わせ、短時間でやろう」といった方針を重要視しています。プロジェクト開始時点で横田氏以外はAmazon Goを体験していない状況もあり、要件定義に関してはゴール(実現したい体験)を「動画」の形で作成し、イメージを共有することから始めました。その上で想定しうるユーザー体験を一連の流れとして図に起こし、必要となるであろう仕組みにタスクを分割、技術検証を行ってパーツをつなぎ合わせていく……という形で進めていきました。

横田氏自らが演じたユーザー体験の動画
横田氏自らが演じたユーザー体験の動画
要件定義風のポンチ絵
要件定義風のポンチ絵

 ちなみに技術検証の過程で、横田氏は「いくら失敗してもいい、最悪出さなくてもいい。なので思いっきりやってくれ」とメンバーに伝えていたといいます。新しいサービス・技術を精力的に取り入れ、試行錯誤を重ねながら前進していきました。

 予定していた一連の仕組みが連携できるようになったのは「お披露目会」となるイベントの前日。横田氏がシアトルで目の当たりにしたAmazon Goでの体験を披露したデモンストレーションは好評を得て、翌週の新聞(日経MJ)にも記事が掲載されました。

『日経MJ』(2018年7月27日)に掲載
『日経MJ』(2018年7月27日)に掲載

【シーズン2】ハード面での課題もたくさん見えてきた

 「シーズン1」のメンバーからほぼ全員が交代となって始まった「シーズン2」。2カ月後の2018年10月に自社イベントがあるということで、そこでの展示をゴールとして設定しました。Amazon SageMakerやエッジコンピューティング、測距センサーなどの技術を積極的に検証してプロジェクトと連動させていく過程は前シーズン同様。「クラウドが得意な会社だったのですが、実は回路が得意なエンジニアも結構いた」という状況の中、環境をより洗練させていくことができました。

Amazon SageMakerを用いたオブジェクト検出のモデル作成
Amazon SageMakerを用いたオブジェクト検出のモデル作成
AWS IoT Greengrassによるエッジコンピューティング
AWS IoT Greengrassによるエッジコンピューティング

 また、このシーズンで得た知見・課題について、横田氏は以下のように振り返りました。

 「いろいろとデモンストレーションをするようになると、セットで持ち込んだものが『箱ごと壊れる』ケースに直面しました。ソフトウェアはコピーしても壊れませんが、ハードウェアは持ち運ぶと壊れます。また、センサーとルーターの干渉問題、ネットワークの接続性に関しても試行錯誤を繰り返しました」(横田氏)


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著者プロフィール

  • しんや(シンヤ)

    2010年末~2013年前半位までの期間で興味のある勉強会に頻繁に参加。参加してきた勉強会のレポートブログとTogetterをひたすらまとめ続け、まとめ職人(自称/他称含む)として暫く過ごしておりました。色々な縁あってDevelopers Summit 2013では『公募レポーター』も務めました。...

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