帳票開発は面倒くさい!
業務系システムにおける帳票出力は、令和になってもまだまだ必要とされる機能の一つです。この背景としては、日本の商慣習にて紙文化が根強く残っていることが挙げられるでしょう。それに加え、紙という媒体の「軽量」「折りたたみ可能」「容易に書き込みできる」「読みやすい(高解像度で印刷可能)」「低コスト」などの利点はまだタブレット端末やディスプレイでは代替し難いという背景もあります。従って紙文化が早期に無くなることは考えにくく、我々はまだまだ帳票出力機能の開発を行っていく必要があります。
帳票出力機能を実装するためには、「帳票テンプレートのデザイン」と「テンプレートへのデータを適用して描画する処理」そして「その出力処理をシステムとして実現」する必要があります。ここでは、これらをまとめて「帳票開発」と呼ぶこととします。
帳票開発は、グラフやバーコード、画像などを含んだグラフィカルな帳票を作ることがそもそも技術的には困難な部類であるということに起因して、その開発工数や保守コストが増大しがちです。
ただでさえ、IT業界で働いている方々は「ペーパーレス化したい」という要求が強いはずです。それに、ほとんどのシステムでは帳票自体が主目的ではなく、付帯的な機能であることがほとんどです。
そんな中で、システムの本質的な目的ではなく、手間だけかかる帳票開発はやりたくない、という認識を持つエンジニアは多いのではないでしょうか。私が今まで会った人に聞いても、経験者はみなさん口をそろえて「帳票はやりたくない」と言います(実際、その通りだと思います)。
こうした背景が相まってか、帳票開発では大きなイノベーションが発生してきませんでした。それがさらに帳票開発を面倒で困難なものにするという負のスパイラルに陥っています。
我々は紙文化が世界から完全に消える日が来るまで、ずっと暗い顔で帳票を作成していかなければならないのでしょうか? いや、そんなことでいいはずがありません。少しでも楽に開発できる方法を考えるべきです。