あの頃はまだ若く未熟だった! 一定の成果は上げたもののほろ苦さの残った戦訓
さて、自分自身の時間だけではなく、重要な仕事を任されているマネージャの時間もかなりたっぷりと使わせていただいて、ここまでのことを展開してきたわけですが、その結果はどのようなものだったのでしょうか?
従業員と顧客の現場サイドからの評判は良かったです。非常に良かった、といっても過言ではないと思います。お客様から満足の言葉を聞くことも増えましたし、営業やコンサルタントのメンバーにしても、「ここに要望を出せば、しかるべく議論がされて、今後すぐに対応されるのか、それともしばらくは実現しないのかの見通しが分かる」ということになり、各自の仕事が進めやすくなったのでした。開発メンバーからも、仕事がやりやすくなり、成果を出しやすくなったと評判は上々でした。
一方で、あまりよろしくなかったのが、顧客の経営サイドと、自社の経営陣はそこまで喜ばなかった、ということでした。今から考えると、これが非常にまずかった。
理由としては、経営目線での効果効能が分かりやすく説明できなかった、という点がその大きなものでした。細かな要望であっても、大きな要望であっても、日々、しっかりと吸い上げられ、定期的に改善されていく、というのは、経営的な目線からしたら「当たり前」にすぎないのであって、満足はしても、感動はしない、という感じでした。
もちろん、その「当たり前」がいかに大変なのかは分かってはいるものの、もっと大きくものごとを動かしていきたいという根本的な欲求にはこたえられていなかった、という感じでした。
というわけで、このプロダクトマネジメント活動は、結果的には、保守、修繕系の意思決定プロセス、という位置づけになったのでした。その必然的帰結として、ニーズありきではなく、アイデアや発想ありきの新規開発系は、別の意思決定プロセスによって進行する流れが生まれました。
しかし問題は、結局のところ、どちらの意思決定プロセスを通ったとしても、つくる部隊は単一なので、技術側は「どっちを優先したらいいの」という問題に直面することになってしまって、理想的なプロダクトマネジメントにはならなかったのでした。
個人的には、随分と多くの時間も情熱も注いだプロジェクトだったのですが、上記にあげた、5つのステップの「こうすれば良い!」は、間違いではないが、正解ではなかったのかもしれない、というのが、少々ほろ苦い教訓となったのでした。
第1回は、いったん、こちらで終了です。第2回は上記の課題を引き起こしていた根本的な原因について考察を深め、最終回である第3回では、まったく違うアプローチで、遥かに生産性の高い取り組みができるようになった事例について、ご紹介したいと思います。
