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新規SaaSの企画検討からリリースまで! freeeの事例に学ぶプロダクト開発

新規プロダクトの開発プロセスで意識したい5つのポイントとは? その実践に学ぶ

新規SaaSの企画検討からリリースまで! freeeの事例に学ぶプロダクト開発 第3回

3. 物理的な場所を意識しない開発

 新規プロダクト開発では、プロダクトマネージャー・UXデザイナー・エンジニア・QA・SRE・セールス・マーケティングなど多くのファンクションが一丸となって開発を進めていく必要があります。例えばスプリントイベント一つをとっても物理的な場所に制約を設けてしまうと、全員が参加できない状況が起きてしまいます。

 プロジェクト管理freeeの開発をスタートした当初(2019年中旬)は今のようにリモートワークへの世の中の関心はまだ高くない状況でした。ただ、私たちのチームは元から愛媛・大阪・東京と3拠点にまたがったチーム構成になっていたため、物理的な場所を意識しない開発プロセスを心がけています。

 実際にプロジェクト管理freeeの開発チームで行っている具体的な例をいくつか紹介します。

  • MTGや各スクラムイベントは常にビデオ会議のURLを用意して中継しておくことで、誰でも気軽に入って情報共有できるようにする。
  • アジェンダは事前にGoogle Docsに用意しておき、MTGをしながらその場で話したことをリアルタイムに書き込み議事録として残す
  • 抽象的なディスカッションをするときは、あらかじめmiroなどのオンラインホワイトボードサービスを用意しておく
  • 動くものをベースに会話をするために、いつでも最新状態が確認できる環境を維持しておく
miroを使ったオンラインでのユーザーストーリーマッピング作成の様子
miroを使ったオンラインでのユーザーストーリーマッピング作成の様子

4. 不確実性が高い状況でも遊び心を忘れずに、開発を楽しむ

 不確実性も高い新規プロダクトの開発では、プレッシャーを感じる場面も非常に多いです。

 その中で継続的に高いパフォーマンスを発揮するためには、チーム全体が楽しみながら開発を進めていくことが非常に重要だと感じています。

 開発チームにおいて、開発プロセスを模索し進化させていくことは常に必要です。freee OSAKAにおいて、開発プロセスの中に遊び心を取り入れて上手くいった例を二つ紹介します。

スプリントが終わったらクラッカーで祝福する

 プロジェクト管理freeeの開発は1週間スプリントで実行しているのですが、その週のメインのデモ担当だったエンジニアが締めの一言を言ったあとクラッカーを鳴らしています。元々拍手だけだったのですが、音、視覚、嗅覚と共に予想以上にテンションが上がるのでオススメです。

スプリントが終わったらクラッカーで祝福
スプリントが終わったらクラッカーで祝福

関係者を巻き込み、スプリントイベント中に本番リリースを生中継する

 スプリントイベントには開発関連のメンバーだけではなく、セールスやマーケティングなどのビジネス部門のメンバーも参加しています。彼らに機能のデモだけではなく、実際にリリース作業をしている様子をリアルタイムに中継したらテンションが上がるのではと思い、はじめました。freeeでは機能をユーザーに公開するか否かをフラグで管理しているため、実際にはフラグを立てるだけなのですが、その場ですぐにプロダクション環境で新機能が使えるようになるという体験は非常に好評です。

スプリントイベント中に本番リリースを生中継
スプリントイベント中に本番リリースを生中継

 いずれも些細なことですが、こういった遊び心の積み重ねによって、チームの雰囲気や特徴は形作られていくと考えています。freee内では同じような試みをやってみようというチームも増えており、会社全体の雰囲気作りにも繋がっていくのではとワクワクしています。

5. 自分たちが試行錯誤したことを整理し、他のチームに残す

 新規プロダクト開発は試行錯誤の連続です。試行錯誤のプロセスと結果のセットは、これから新規プロダクト開発にチャレンジする開発者にとって非常に有益なものになるはずだと考え、自分たちがこの開発において行ったことを整理し、記録に残すことを心がけました。

 具体的には、開発プロセスや上手くいったこと失敗したことを、社内には情報共有ツールやチャット(kibela、Workplace、Slackなど)、社外にはオンラインイベントや技術系の記事にて発信しています。本記事もその一つですね。

オンラインイベントで技術選定、技術へのこだわりを公開
オンラインイベントで技術選定、技術へのこだわりを公開

 freeeには「あえて共有する」という価値基準があるのですが、自分たちにとっては小さなことで共有する価値は薄いかもと思うような情報でも、次に同じようなチャレンジをする人にとっては有益であるということはよくあります。プロジェクト管理freeeの開発を通して経験したことが、freee内外に関わらず、今後の新規プロダクト開発に少しでもお役に立てれば嬉しいです。また、人に伝えるために情報を整理し抽象化して考えることで、自分たちにとっても良い振り返りとなり次の改善に活かすことができるので、非常にオススメです。

次はエンジニア編

 次回は、いよいよエンジニア編です。今回は主にエンジニアリングマネージャーとして、新規プロダクト開発という難易度の高いミッションに挑むためにチーム全体で大事にしていたことを具体例と共にご紹介しました。次回は、この前提を踏まえた上で新規プロダクト開発においてエンジニアがどんなことを考えながらどんな方法で開発を行っているのか、その全貌を赤裸々に語ります。乞うご期待ください。

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この記事の著者

竹田 祥(freee株式会社)(タケダ ヨシ)

 freee株式会社 西日本開発本部 部長。 大手CRM開発ベンダーにて新規開発部署の立ち上げ、新規プロダクトの開発などを行ったのち、freeeに入社。freeeでは関西支社の立ち上げを行い、エンジニア、プロダクトマネージャー、エンジニアリングマネージャーなど開発に関わる幅広い役割を担当。西日本開発...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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