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「分かりやすいインフラ」HCIは開発現場のどんな課題を解決するのか?

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 開発者にとって開発リソースを柔軟に使えることほど大事なものはない。”いつでも・どこでも”の代表格がクラウドだが、オンプレミスでも簡単に実現できる方法がある――ハイパーコンバージドインフラ(HCI)だ。サーバー、ストレージ、スイッチを事前統合したアプライアンスで、日本ヒューレット・パッカードの荒木健一氏はその特徴を、「適材適所でインフラを配備できること」と説明する。その特徴から、仮想化導入を検討中の中堅・中小企業にも最適と太鼓判を押す。インフラ技術の変遷をよく知る荒木氏が「これは面白い」と一目惚れしたHCI、その魅力についてエンジニア目線で語ってもらった。

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メインフレームからキャリアを積んだエンジニアが、HCIに出会うまで

 エンジニアとしてキャリアを積んできた荒木氏の経歴は、コンピューティングのトレンドと重なっている。最初は国産メーカーで企業の勘定系システムを担うメインフレームの構築・保守を行った。IPネットワークが普及していないため電話回線を使うこともあり、公衆回線をまとめる集合モデムを設置する作業もよく発生していたと振り返る。

 その後、時代はクライアント/サーバーシステム(C/S)に。メインフレームに比べると安価なIAサーバーやUNIXサーバーが登場し、荒木氏も転職によりSIerとしてオープンシステムの波に乗った。メインフレーム時代に手がけた勘定系システムを、今度はオープンシステムで構築・保守した。

 2000年代後半ごろに台頭したのが仮想化技術だ。ハイパーバイザーを使ってサーバー内に複数の環境を仮想的に構築するもので、CPUやメモリの稼働率を上げる技術として広まった。荒木氏はシステムエンジニアとして、それまで保守や運用で培った技術を提案や構築で生かしながら、仮想化技術を学んだ。

 その後、システム全体を見る立場を目指してネットワーク企業に転職、上位のネットワークからストレージまでを手がけるシステムエンジニアとして幅を広げた。

 そこで荒木氏が出会ったのがハイパーコンバージドインフラ(HCI)だ。

 「これまでストレージ、サーバー、ネットワークはバラバラだったのが、仮想化技術によりそれぞれの分野で仮想化が進む中で、1つのソリューションとして誕生したのがHCIといえます。これは面白いなと思いました」と荒木氏。あまりにのめり込んだために、自分のHCIを構築しているというから筋金入りといえる。

 現職では、プリセールスエンジニアとして、静岡から沖縄までの西日本の顧客にHCIを含めた製品の紹介と提案を行っている。

誰でもインフラを構築できるHCI

 荒木氏が絶賛するHCIとはそもそもどういうものか? 「ハイパー(超)」「コンバージド(統合された)」「インフラ」という言葉通り、ストレージ、サーバー、スイッチがすでに設定済みのアプライアンスだ。

 「初めてHCIに出会ったときによくできていると感心したのは、決められたことを決められた手順でやると簡単にインフラを構築できることです」と荒木氏。従来のインフラはストレージ、サーバー、ネットワークと各分野の専門知識を持ったエンジニアが、それぞれの製品の組み合わせを議論しながら作るようなところがあったが、HCIはあらかじめシナリオが決まっているのでその流れに沿って作業すればいい。「それまでインフラを構築したことがない人でも、事前の準備と手順書があれば構築できる。それが最大の長所です」と説明する。

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HCIの概要図

「分かりやすいインフラ」HCIが解決する、開発現場の課題

 荒木氏が「分かりやすいインフラ」と表現するHCI。用途はさまざまだが、顧客の現場をよく知る荒木氏は、開発現場の課題解決にHCIが役立つとみている。

 例えば開発やテスト段階では本番環境と違って小さな環境で作業を行わなければならないことが多い。HCIはソフトウェア定義(SDx)を利用してサーバー内のディスクで共有ディスクを構成するため、サーバーだけで仮想化環境を実現できる。「HCIは共有ストレージを持っている仮想化サーバーと考えると分かりやすい。仮想化環境やステージング環境でも本番環境と同じような可用性や冗長性を持たせて運用できます。開発者からすれば、いつでも作業できる環境が使えます」と荒木氏。

 それだけではない。「HCIはデータの保護や複製にも優れています。例えばアプリケーションが公開となり、ステージング環境で持っているデータでテストをして本番に移行するよりも、本番環境のコピーを作成してその本番環境に適応させてテストをする方が、予期せぬリスクが発生する可能性が低くなります」ともいう。

 すぐに環境を構築できるという点も特徴だ。荒木氏は、「いつでも、どこでも――これをオンプレミスで簡単に実現できます」という。同様に、”いつでも、どこでも”の観点から選ばれてきたのがパブリッククラウドだが、荒木氏によると、このところパブリッククラウドへの流れが一段落しつつあるという。使い方と使う場所を選ぶ「適材適所」の動きがみられる、と荒木氏。開発なら開発環境はクラウドで持ち、本番はオンプレでという顧客が増加しているそうだ。「守りたいものは自社内で持ち、必要ならクラウドと連携させるという使い方にフィットしているのがHCIです」(荒木氏)。

 クラウドとの連携機能もあり、例えばコンテナを使ってクラウドで開発し、本番ではコンテナをオンプレミスに移すといった使い方も簡単に実現できる。

 運用担当にとってもHCIは魅力的だ。「現在使っているインフラと同じUIやツールで作業ができるため、作業が大きく変わることはありません。また、データ保護も簡素化できます」と荒木氏。さまざまなベンダーの組み合わせが考えられる従来の3Tier(層)構造インフラ(サーバー、SANスイッチ、ストレージ)と比較して、一体型のHCIは運用でもメリットが多いのだ。

HCIに関する日本ヒューレット・パッカードのソリューション情報

 日本ヒューレット・パッカードのHCIの情報はこちら。

 日本ヒューレット・パッカードの中小企業向けのITソリューションの情報はこちら。

仮想化導入の第一歩として

 荒木氏がHCIの用途として潜在的なニーズを感じているのが中小企業の開発現場だ。それも仮想化をまだ導入していない地方の企業だという。

 「HCIを知ったときに最初に思ったのが、地方の企業にマッチしているということでした」と荒木氏。古いOSを使い続けたいが使えるサーバーがないという場合、仮想化を利用することで解決できる。だが、人手の面からも「仮想化環境は高価」という先入観があり、導入に踏み切れないところが多いという。

 「従来ならデータが増えればストレージを追加する必要がありましたが、HCIはデータをうまく効率的に管理します。サーバーだけで作れる仮想化環境を1ノードから使うこともできる上、難しい管理も不要です。このような特徴は、仮想化導入に踏み切れない地方の企業にはマッチすると思います」と荒木氏。

 クラウドのように使えて複数の拠点に分散させても管理が1箇所からできることから、「中堅・中小企業や拠点が複数ある企業に、HCIは一考の価値があるのでは」と続ける。

 災害対策となるDR(ディザスタ・リカバリ)/BCP(事業継続計画)対策からみたメリットも強調する。「仮想化を利用することで保護の範囲を広げることができます。HCIはWAN回線の帯域が小さくても確実に保護できるため、これまで保護の対象ではなかったエリアもカバーできます」と荒木氏。

 例えば、社員35名の情報通信企業であるロジックベインは、HPE SimpliVityを利用して全社仮想化基盤を構築して運用管理を効率化した。コスト面から一度は反対されたが、想定される効果を粘り強く強調して導入した経緯を持つ。他の業務と兼任で運用管理を任されていた担当者の負荷を軽減できただけでなく、全業務をバックアップできる環境整備、圧縮・重複排除技術を利用したストレージ容量を削減するなど、さまざまな効果が得られているという。

 「確かに仮想化は高価かもしれません。ですが、データ保護はどの企業にとっても重要です。データ保護をきちんとしながら次の展開にうまく回せる仕組みを構築すれば、長期的にはコスト削減が図れます。これを可能にするのがHCIです」(荒木氏)。

AIによる運用管理も備えるHPEのHCI「HPE SimpliVity」

 荒木氏が所属する日本ヒューレット・パッカードでは、HCI製品として「HPE SimpliVity」を提供している。もちろん、荒木氏が触れたHCIのメリットも網羅している。例えばバックアップソフトウェアは標準搭載しており、「ローカルもリモートも簡単な操作でデータが保護できます」と荒木氏。その仕組みをDRやBCPにも応用できるという。

 開発者はHPE SimpliVityを利用することで、場所を選ぶことなく必要な環境リソースを必要なところに配備しつつデータの保護ができるという。「適材適所で、使いたいときに場所を気にせずに使える仕組みが標準機能として用意されています」と荒木氏。

 クラウドとの連携では、一部パブリッククラウドとの連携が実現しているほか、コンテナでも連携を進めているという。クラウドでは、日本ヒューレット・パッカードはMicrosoft Azureと連携することができるオンプレミス型HCI「Microsoft Azure Stack HCI」認定サーバーもラインナップに持つ。「開発環境ですでにMicrosoft Azureを使っていて、オンプレミスではWindowsサーバーで構成しているという場合は、Azure Stack HCIを利用することで運用を変えることなく、シームレスに移行や継続ができます」と荒木氏。また、サーバー統合としてWindowsの仮想化統合を考えている場合も、Azure Stack HCIが最適だという。

 運用・監視の面についても、紹介したHCI製品(SimpliVity/Azure Stack HCI)ではAIを利用したHPE(Hewlett Packard Enterprise)の運用管理サービス「HPE InfoSight」を利用できる。顧客のストレージやサーバーからデータを収集し、AIを使って24時間365日で分析しており、トラブルが発生する前に予兆を検知して通知してくれる。「運用担当は面倒な運用作業をシステムに任せて作業負荷を軽減し、別の仕事ができるようになります。人手が十分ではない中堅・中小企業にこそ使ってもらいたいツールです」と荒木氏。

HCIのことはHPEヘ

 このようにさまざまな特徴を持つHCIだが、まだまだ機能はたくさんある。HCIのことをもっと知りたいという人向けに、日本ヒューレット・パッカードでは「HPEハイパーコンバージドはじめてセミナー」というウェビナーを開催している。直前の申し込みでも参加することができ、デモを通した体験や個別の相談ができるプライベートルームもある。「興味を持った方にはぜひ来ていただければ」と荒木氏。

 「HCIのことはHPEに」という荒木氏、「HCIはバズワードになっていますが、HCIにすべきかどうかなど迷ったら、ぜひ日本ヒューレット・パッカードに相談していただきたい」と続ける。「我々はHCIといわれる製品の大半を提供できるため、お客様の環境に最適なHCIをご紹介できます。もちろん、これまでの3Tierも取り扱っており、両方に精通したエンジニアがいるのでさまざまなご相談に乗ることができます」。

 開発者でも簡単に扱え、メリットが多いHCI、知っておいて損はない技術といえそうだ。

関連情報

 「HPEハイパーコンバージドはじめてセミナー」の情報はこちら。

 製品事例はこちらから。

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