kintoneユーザーの開発者体験向上のためにチームが発足
永田新太郎氏は2018年にサイボウズに新卒入社した。配属はkintoneの開発チーム。なおkintoneとは、開発の知識がなくても業務に合わせたシステムを簡単に開発できるクラウドサービスだ。
永田氏は入社から2020年3月までkintone新規機能開発チームでプログラマをしていた。加えて、2019年10月からはDX開発チームにて、自社製品のDXについてあれこれと模索した。今回の軌跡は後者がメインとなる。
DXということで、デジタルトランスフォーメーションを思い浮かべた方も多いだろう。しかし今回のDXとは開発者体験(Developer eXperience)のこと。また開発者と言っても、サイボウズでkintoneのサービスを開発する開発者ではなく、サイボウズのkintoneを用いて業務システムを開発する開発者を指す。
先述の通り、kintoneは業務システムを開発するためのクラウドサービスであり、プラットフォームだ。多くの機能をGUIで開発できるものの、プログラムを用いて、より高度な機能開発をすることもできる。例えばREST APIでデータベースにあるデータを操作する、データ操作に紐付いたWebhookを送信する、JavaScriptやCSSでUIをカスタマイズするといったことが可能だ。
このkintoneでは有志が開発した非公式な開発用ツールが乱立していた。一部のツールは自社でメンテナンスしていたが、開発の品質や体制が決して十分ではなかった。そこで「Production Readyな公式ツールが必要だ」という声から、正式なツールを開発するチームとしてDX開発チームが発足した。当時のメンバーは永田氏含めてプログラマが3人。