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Yahoo! JAPAN Tech Conference レポート(PR)

「AIテックカンパニー」を目指すヤフー。目指す世界像や、その実現に向けて不可欠な要素・戦略とは?

Yahoo! JAPAN Tech Conference 2022 Day1 Keynote

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 2022年2月3日より、ヤフー主催の技術イベント「Yahoo! JAPAN Tech Conference 2022」がオンラインで二日間に渡り開催された。初日のキーノートでは、「AIテックカンパニー」を目指すヤフーが、目指す世界の実現に向け、それを成し遂げるために必要な要素や戦略について、キーパーソンの二人が語った。

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登壇者

藤門 千明(ふじもん・ちあき)氏
Zホールディングス株式会社 常務執行役員 Co-GCTO(Co-Group CTO/共同グループ最高技術責任者) ヤフー株式会社 取締役 常務執行役員 CTO(最高技術責任者)
2005年に筑波大学大学院を卒業後、ヤフー株式会社に新卒入社。 エンジニアとして「Yahoo! JAPAN ID」や「Yahoo!ショッピング」「ヤフオク!」の決済システム構築などに携わる。決済金融部門のテクニカルディレクターや「Yahoo! JAPAN」を支えるプラットフォームの責任者を経て、2015年にヤフー株式会社CTOに就任。 2019年10月にZホールディングス株式会社 常務執行役員 CTO、ヤフー株式会社 取締役 常務執行役員CTOに就任。2021年3月より現職。

 

谷口 博基(たにぐち・ひろき)氏
ヤフー株式会社CDO(Chief Data Officer)
東京大学工学系研究科修了後、マッキンゼーに入社し、ハイテク・製造業を中心に日本企業のグローバル化、提携、買収、新規事業開発、R&D戦略など幅広い案件に従事。2013年1月ヤフーに入社し、株式会社一休の買収、Buzzfeed社との合弁事業会社「BuzzFeed Japan株式会社」設立などを担当。2016年より全社横断のデータ部門で本部長を務め、2019年10月、事業者向けデータソリューションサービスを立ち上げる。2021年4月より現職。

データを利活用したAI開発

 初日キーノート、まず登場したのは、取締役 常務執行役員 CTOを務める藤門 千明氏だ。

 藤門氏は、「AIテックカンパニー」はヤフーだけの目標ではないと言う。その背景には、2021年3月1日、ヤフーの親会社であるZホールディングスがLINEとの経営統合を果たした際に、Co-CEOの2人、川邊 健太郎氏と出澤 剛氏が「日本・アジアから世界をリードするAIテックカンパニーへ」と宣言がある。

ヤフー株式会社 CTO 藤門 千明氏
ヤフー株式会社 CTO 藤門 千明氏(撮影:中村 友一)

 10年以上前から、AIを活用しサービス開発に取り組んできたヤフー。「AIテックカンパニー」を目指すヤフーがZホールディングスの中核企業としてリードしていく、藤門氏は力強く決意を語った。

 では、なぜヤフーがAIやデータを重要視するのか。そして、その結果何が起こるのか。ヤフーは数多くのサービスやアプリを提供している。その数は約100にもなる。Web検索やニュース、ショッピング、オークションなどでヤフーのサービスを利用しているという方も少なくないだろう。

 ヤフーのサービスやアプリの利用によって、ユーザーの行動がログとなり蓄積される。ヤフーはこのデータを、セキュリティやプライバシーに細心の注意を払いながら解析、分析している。その結果を、AIによって、それぞれサービスの機能改善に活かしている。

 サービスやアプリの改善後、ユーザーの利用により、さらに多くのデータが集まる。これらのデータをさらに解析や分析することによってAIが改良され、より良いサービスを提供でき、多くのユーザーに利用いただける。この無限のループが続くからこそ、AIとデータが極めて大切だと藤門氏は強調する。

蓄積データを分析/解析し、AIでサービスを改善していく無限のループ
蓄積データを分析/解析し、AIでサービスを改善していく無限のループ

140ペタバイトものビッグデータを活用してAI開発

 ヤフーのサービスやアプリを使うユーザーから受け取る検索キーワードなどのリクエスト数は、1日当たりおよそ1,932億に上る。ただ、データとしてはこの状態では非常に扱いにくく、ヤフー全社で一元管理して加工している。ヤフーが日々活用するデータ量は約140ペタバイトにも及ぶ。

 これら大量データを活用し、それぞれサービスを改善していく。そして、ヤフーはAI開発のプラットフォームも一元管理している。プラットフォーム上で、レコメンデーションなどのAIモデルが開発されていく。その数は1日当たり約300にもなる。そして、開発したAIをサービスの改善に使う。サービスにモデルが適用される回数は1カ月当たり約1万回に達するそうだ。

 ヤフーではサービス作りからデータの加工分析、加えてAIの開発、全て自社で開発をしている。「自社でやり切るためのエンジニア、デザイナーを抱えていて、みんなでこのAIを作っている」と藤門氏は語る。

ヤフーにおけるデータ解析からAI開発、サービスへの適用までの流れ
ヤフーにおけるデータ解析からAI開発、サービスへの適用までの流れ

 そして藤門氏は、AIをサービス改善に活用した例を4つ挙げた。1つ目は「Yahoo!ショッピング」。「Yahoo!ショッピング」内の商品検索結果は、ユーザーごとに最適なものを表示している。その結果、商品詳細ページのCTR(Click Through Rate:クリック率)を2桁パーセント引き上げることができた。

 2つ目は「汎用レコメンデーションエンジン」。より多くのサービスでレコメンデーション技術を活用するヤフーは、汎用レコメンデーションエンジンを自社で開発している。ユーザーの行動ログをこのレコメンデーションエンジンに蓄積し、多様なアルゴリズムを適用することで、単一のプラットフォームからさまざまなレコメンデーションエンジンを作っている。現在、ヤフーが提供している20以上のサービスでそれを活用しているという。

 3つ目は「Yahoo! BEAUTY」で提供するヘアスタイル検索の機能だ。以前はスタイリストがモデルをカットし、カット画像にヘアスタイルを示すタグを付けてアップロードする形で運用していた。しかし、人によるタグ付けでは、検索結果が揺らいでしまうという課題があった。そこで、AIで画像を解析し、特徴量をつかみ、検索結果に反映させるようにした。その結果、検索の精度が17%以上改善されたという。

 4つ目は「Yahoo!ニュース」のコメント欄だ。ユーザーがニュースに関する意見や思いを書き込める機能だが、記事とは無関係なコメントや、強い非難、誹謗中傷が含まれるコメントが入ることもある。従来は専門のパトロール部隊を編成し、人の力でコメントを削除、あるいは非表示としていたが、現在はこれをAIで実現しているという。

 そこには「Transformer」と呼ばれる、ディープラーニングをベースとした自然言語処理のモデルがある。それを利用し、ヤフーが保有する大量のデータを事前に学習することで、2つの大きなモデルを作っている。1つは記事とコメントの関連度を判定するモデル。もう1つはコメントの不適切度、誹謗中傷になっていないかを判定するモデルだ。この2つのモデルによって、現在は毎月25万件の違反コメントを削除あるいは非表示にしているそうだ。

 そして、AIテックカンパニー化に向けて重要な3つの武器として、多くのサービスから生まれる大量のデータ、そしてそのデータから生まれるAIのモデル、そして人財を挙げ、藤門氏は一旦退場した。

次のページ
「全社員AI人財化」に向けて取り組んでいること

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この記事の著者

笹田 仁(ササダ ヒトシ)

 フリーランスのライター、編集者。IT、特にソフトウェア開発の話が好きです。 趣味はドラムを叩くこと。コロナ騒ぎでリハーサルスタジオに入りにくくなり、ちょこちょこと楽器を買うことでストレスを解消していたら、いつの間にか置き場所に困るほどになってしまいました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/15523 2022/02/21 12:00

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