V8 JavaScriptエンジンとRust言語を使用したJavaScript/TypeScriptランタイムであるDenoの開発チームは、最新バージョンとなる「Deno 1.20」を3月17日(現地時間)にリリースした。
「Deno 1.20」では、通信レイヤを最大60%高速化するように最適化すべく、Rust procマクロを活用して既存のRustコードから高度に最適化されたV8バインディングを生成することで、JavascriptとRust間のパフォーマンスを向上している。
DenoのネイティブHTTPサーバがレスポンスボディの自動圧縮をサポートするようになったほか、コードのベンチマークとしてdeno benchサブコマンドとDeno.bench() APIが追加された。また、コードベースの開発に固有のカスタムコマンドを定義および実行するための新たなタスクランナとしてdeno taskサブコマンドが追加されている。
さらに、Denoの設定ファイルにおいてインポートマップファイルを指定できるようになるとともに、HTTPS要求において証明書と秘密鍵を物理ファイルとしてディスクに保存することが非推奨となった。また、新しい名前空間APIとしてHTTP接続のアップグレードが可能なDeno.upgradeHttp()が追加されているが、現時点ではまだ不安定であり、-unstableフラグを使用する必要がある。
ほかにも、Foreign Function Interface APIにおける読み取り専用グローバル静的データのサポートや、サニタイザへの詳細なトレースデータを収集できるようにする--trace-opsフラグの追加など、数多くの機能追加・改善が行われた。
なお、「Deno 1.20」にはTypeScriptの最新安定バージョンである「TypeScript 4.6」が付属するとともに、V8が最新リリース「V8 10.0」にアップグレードされている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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