はじめに
本記事はWWDC2021にて新しく追加されたAPIや新OSの便利な使い方を紹介する連載記事の第3回となります。今回はWWDCの発表内容から、特にXcode Cloud、およびSwiftUIの発表に関するものをまとめています。
Xcode CloudもSwiftUIも一度導入すると今後の開発と一心同体。アプリケーション開発の核心に据えられるか、ぜひこの記事を読んでご判断ください。
Apple純正のCI/CDサービスXcode Cloudの登場
このセクションではXcode Cloudの紹介をします。Xcode CloudはAppleが新しく発表した継続的インテグレーション(以降、CI)および継続的デリバリー(以降、CD)サービスです。最大の特徴はXcodeに組み込まれている事であり、普段コーディングに使っているXcodeからCI/CDのワークフローの編集やジョブが成功しているかの確認が可能となります。
Xcode Cloudは開発者だけではなくCI/CDサービスプロバイダーであるBitriseからもブログにて言及されるなど多くの話題を呼び込みました。
Xcode Cloudによって変わるXcode
Xcode Couldの登場に伴い、XcodeからCI/CDに関する機能にアクセスできるようになりました。
Xcodeの左部にあるサイドバーからは、後述する各ワークフローのビルド結果を確認する事ができます。普段使う開発環境であるXcode上でビルド状況を把握できるため、終了後の結果確認を忘れることもなくなりそうです。
ビルド結果をクリックすると、そのビルドの詳細を確認できます。ここにはビルドのログやテスト結果が表示されます。この画面の右上にはRebuildボタンがあり、ワークフローを再実行する事が可能です。そしてその隣のCheck Outボタンからはローカル環境へチェックアウトすることができます。
さらに、エラーログにあるジャンプボタンからエラーが発生しているソースコードへ直接移動する事ができます。従来のWeb上で動作するCI/CDサービスでは、Web上に表示されるビルドログから問題箇所と照らしわせ、手元の環境で問題のあるソースコードを探していました。その工程をボタン1つでショートカットできるのは非常に便利だと感じました。
なお、App Store ConnectからもXcode Cloudの機能にアクセスして設定を行うことが可能です。例えば、下記の画像の例では通知設定からSlack通知をオンにしています。