IPA(情報処理推進機構)は、国家試験である「基本情報技術者試験(FE)」「情報セキュリティマネジメント試験(SG)」を、2023年4月から通年試験化することを発表した。
「基本情報技術者試験(FE)」は、ITに関する基本的な知識・技能を評価する国家試験で、ITエンジニアの登竜門という位置付けの試験である。情報処理技術者試験の中では累計応募者数がもっとも多く、応募者数の約7割が社会人、約3割が学生となっている。
「情報セキュリティマネジメント試験(SG)」は、組織の情報セキュリティ確保に貢献し、脅威から継続的に組織を守るための基本的な知識・技能を評価する国家試験で、部門における情報セキュリティリーダー向けの試験である。応募者数の約9割が社会人、約1割が学生となっている。
両試験ともに、新型コロナウイルス感染症の拡大などを理由に、2020年12月からCBT(Computer Based Testing)方式で試験を実施してきた。今回、IPAはさらなる利便性の向上を目指して、通年試験化に向けた試験の実施方式、出題範囲などの変更内容を公開した。
通年試験化によって、これまで上期・下期の年2回で実施していた試験を、受験者が都合の良い時期・日時を選択して受験できるよう変更することで、年間の受験可能回数も増えるほか、試験時間を短縮することによって受験生の利便性をさらに高める。
試験時間の短縮では、出題形式を小問形式へ変更し、午後問題をコンパクト化するとともに、出題数・解答数の変更などによって、試験時間を30~40%短縮する。「基本情報技術者試験(FE)」の試験時間は従来の300分から190分に、「情報セキュリティマネジメント試験(SG)」の試験時間は従来の180分から120分に短縮される。また、両試験ともに午後問題をコンパクト化した小問のサンプル問題を公開する。
さらに、これまで擬似言語(アルゴリズムを表現するための擬似的なプログラム言語)とあわせて、個別プログラム言語(C、Java、Python、アセンブラ言語、表計算ソフト)による出題を実施してきたが、通年試験化にあわせて普遍的・本質的なプログラミング的思考力を問う擬似言語への統一を行う。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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