「PyTorch 1.12」では、バッチデータに対する機械学習の前処理用のライブラリであるTorchArrowのベータ版が収録されており、高性能CPUバックエンド、Veloxによるベクトル化された拡張可能なユーザー定義関数(UDF)、PyTorchやTensorなどとのシームレスなハンドオフおよびPyTorch DataLoaderとDataPipesへのプラグイン、Arrowインメモリ列形式による外部リーダのゼロコピーといった機能を備えた、Python DataFrameインターフェースが提供されている。
さらに、特定のパラメーターセットを使用してモジュール処理を機能的に適用できるモジュール用のFunctional API(ベータ)、Complex Convolutionsや半精度のFFT演算を可能にするComplex32(ベータ)、フォワードモードADにおけるオペレーターカバレッジの大幅な改善(ベータ)などが追加された。
そのほか、TorchscriptのデフォルトフューザのnvFuserへの更新、Ampere以降のCUDAハードウェアにおけるfloat32行列乗算精度の変更などによって、パフォーマンスの向上も実現している。