アイリッジは、プロジェクト管理のDXを目的に、フラーが開発リソース最適化プラットフォーム「Co-Assign(コーアサイン)」を導入したことを、7月19日に発表した。
フラーはもともと、エンジニア・デザイナー・プロジェクトマネージャーといったプロジェクト遂行に必要なさまざまな職種の人材をひとまとまりのチームとする組織体制を採用していたが、新型コロナ禍のデジタルマーケティング活況による事業成長を受けて、この2年で人員数が約2倍の123名(2022年6月末時点)になるなど組織が急拡大している。そこで、プロジェクトの増加やチーム内の人員増に加えて、人材の教育・成長の観点から職能別組織へと体制を変えようと2021年秋ごろから検討を進めていた。
しかしながら、職能別組織では職能を横断してプロジェクトにメンバーをアサインする際の調整に手間がかかったり、開発リソース全体を俯瞰して先々の見通しを立てたりするのが難しかったりするといった課題があり、プロジェクトの安定遂行という視点からも組織体制の変更に踏み切れずにいたことから、2021年12月~2022年3月のトライアル利用を経て、4月に「Co-Assign」が導入されている。
同社では、開発に携わる約40名が「Co-Assign」を利用しており、管理対象のプロジェクトは約100件で、各プロジェクトマネージャーが「Co-Assign」上で要員計画を登録した上で、組織マネージャーが集約・一元化された情報をもとに、週次の定例会議でアサインの調整やメンバーの稼働予定の管理を実施する。
「Co-Assign」導入以前は、スプレッドシートでアサイン調整やメンバーの稼働予定管理をしていたが、定例会議の時間内ではアサインの現状把握に留まり、調整まではできなかったことから、会議外で個別にコミュニケーションを取るなど追加で時間を取られていた。しかし、「Co-Assign」導入後はアサイン調整が定例会議内で完結するようになり、調整や予定管理の工数を最大7割削減している。
同社は、「Co-Assign」を活用した一連のリソースの可視化によって、プロジェクト体制が組みやすくなったことから、2022年3月の正式導入から1か月後の4月には、職能別の組織体制への変更を実現できた。現在は、職種別の各組織でナレッジ共有やメンバーの成長を促進しつつ、プロジェクト体制はスピーディーに職種を横断してチームを組成する、ハイブリッド型の組織体制となっている。
フラーは、「Co-Assign」からエクスポート可能な稼働予定データと外部の各種データ(労働時間、業務委託外注費用、プロジェクト売上など)を照らし合わせた予実分析を始めており、今後はデータ分析による予実管理精度の向上効果も期待される。
「Co-Assign」による開発リソースの可視化を通じて、営業などビジネス側と開発側のコミュニケーションの効率化や、間接原価(アサイン待ちの待機工数)削減による稼働率の向上などを支援し、事業成長を強力に後押しすることを目指す。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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