米HashiCorpは、運用環境を監視し続ける新機能や、コード不要の環境準備を実現する新機能などを、10月4日〜6日(現地時間)に開催した自社イベント「HashiConf Global 2022」で発表した。
HashiCorpは、パブリッククラウドやオンプレミスデータセンターなどの環境で、必要なコンピュータリソースを持つ環境をコードの形で記述することと、そのコードの通りの環境をすぐに準備することを可能にした「Infrastructure as Code」(IaC)環境「Terraform」を提供している。
今回発表した機能のうち、運用環境を監視し続ける機能は「Continuous validation for Terraform Cloud Business」は、HashiCorpがクラウドサービスとして提供している「Terraform Cloud Business」の新機能。当面はベータ版として提供する。
この機能は、Terraformで準備したコンピュータ環境が、当初指定した条件の通り稼働し続けているかを監視する機能だ。利用するには、Terraformの設定やモジュールに事前、事後の条件を入力しておけば良い。コンピュータ環境が稼働を続けるうちに、事前、事後の条件から外れてしまうと、ユーザーに警告を発する。
もう一つ、コード不要の環境準備を実現する新機能は「No-code provisioning for Terraform Cloud Business」と呼び、これも「Terraform Cloud Business」の新機能として当面はベータ版の形で提供する。
この新機能は、Terraformの「private registry」に事前に登録した「no-code-ready module」を利用する。開発者は目的に合ったno-code-ready moduleを選んで、必要な設定を入力するだけで、コンピュータ環境を準備できる。Terraformでは本来、「HashiCorp Configuration Language」という独自言語で、新たに準備するコンピュータ環境の仕様などをコードとして記述する必要があるが、今回発表となった新機能を利用すれば、コードを書くことすら必要なくなる。
HashiConf Global 2022では、ほかにも多数の新機能が登場した。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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