米Googleは組み込みシステム向けに新たに開発したオペレーティングシステム(OS)である「KataOS」を10月14日(現地時間)に公開した。KataOSはApache 2.0ライセンスで公開しているオープンソース・ソフトウェア。
KataOSは、機械学習を動作させる組み込み機器で使用する安全なOSとしてGoogle Researchが開発しているものだ。OSの中核となるカーネルにはセキュリティ強度の高さから「seL4」マイクロカーネルを選択。開発言語にはRustを採用して、バッファオーバーフローなどのエラーが発生する可能性を極力抑えている。KataOSでは、アプリケーションがハードウェアによるセキュリティ保護機構を回避してユーザーデータを盗むことはできないとしている。
KataOSは、サードパーティーによるアプリケーションを動的に読み出して作動させることができるというが、現時点でGitHubに公開したソースコードだけではまだそこまではできない。Googleは近いうちに、サードパーティーのアプリケーションを動かせるKataOSを公開するとしている。
さらにGoogleはKataOSのリファレンス実装である「Sparrow」も公開した。これは「OpenTitan」プロジェクトに準拠するセキュリティチップとRISC-Vプロセッサを組み合わせたハードウェアで動作するOSだ。ただし、当面はQEMU上の64ビットARM環境で動作するものを公開しているという。GoogleはSparrowのソフトウェアだけでなく、ハードウェアもオープンソースで公開することを目指している。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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