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Women Developers Summit 2022 セッションレポート

円周率計算世界記録! でも数学は苦手だった? Google岩尾エマはるか氏が語る、好きなことをキャリアにつなげる方法

【A-1】好きなことをキャリアにつなげる

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 エンジニア・技術者という道を選んだものの、「本当にこの分野でやっていけるのか」と不安に感じる人は少なくない。Googleでデベロッパーアドボケイトとして活躍し、「好きなことを突き詰めることで、結果的に強みを作ってきた」と語る岩尾 エマはるか氏を、自信に満ちて羨ましく感じる人もいるだろう。しかし、その実は「行きあたりばったりで、今も自信のないことのほうが多い」と語る。そんな岩尾氏がキャリアを築いていく中で、好きを強みに変えていく方法を体験を交えて語った。

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コンピュータ熱が収まらず文系から理系に編入

 「人生で好きなことを集中的に突き詰めてきた結果、なんとなく『これが自分の道かな』と感じるようになってきた」と語る岩尾氏。もともと物事の「仕組み」を考えたり、知ったりするのが好きだという。デベロッパーとして取り組むGoogleのクラウドサービスは「仕組み」を凝縮したものと考えれば、まさに適職といえるだろう。

 Google Cloudは、何億もの人が使う検索やYouTubeなどのサービスを支え、何十万台、何百万台ものサーバーを効率よく管理する技術がもとになっている。さらに一台のサーバーにもさまざまな工夫が詰まっており、システム、ボード、スペック、ソフトウェアなどその範囲も広い。岩尾氏自身は特にCPUやGPU、NICなどに興味があり、どの段階を見ても「技術の積み重ね」があり、勉強していても楽しいという。

 それではなぜ、岩尾氏が『仕組み』を考えることが好きになったのか。

 「昔から機械が好きで、洗濯機が動いているのをずっと眺めているような子どもだった。気になることがあれば触らずにはいられず、コンセントにヘアピンを突っ込んで感電したり、タイプライターに指を挟まれたり、失敗も多かった。無意識ながら、実は当時から『仕組みがどうなっているのか』に興味があったのではないか」と岩尾氏は振り返る。

 公務員の両親のもと大阪で生まれ育ち、11歳でプログラミングに出会い、円周率計算プログラミングなどを遊びで書いていたが、数学が苦手で高校では文系選択を勧められ、素直に文系に進んだ。「今でいえばおかしな話ながら、理系は男の子という風潮もあり、周囲にソフトウェアエンジニアもいなかったので、職業としても意識しなかった」と語る。そして、大学は偏差値やセンター試験の点数を鑑みて”なんとなく”選び、「AIをやるには人の心理を学んでおいたほうがいいのでは」という半ばこじつけの理由で、教育・心理学系の学類に入学した。

岩尾 エマはるか氏が大学に入るまで
岩尾 エマはるか氏が大学に入るまで

 しかし、そこで一つの転機が訪れる。コンピュータ熱は収まらず、「そこまでコンピュータが得意で好きなら転学したら」と担当教授に勧められ、2年次から情報系の学類に編入し、コンピュータサイエンスの修士まで取得することになった。岩尾氏はその顛末を振り返り、「結果として大学6年間、好きなことをして、さらに仕事についても役に立った。人生で最もよかったと思える決心の一つ」と語る。

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「1回で正解にたどり着かなくてもいい」5回目の面接でGoogleへ!

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

伊藤 真美(イトウ マミ)

エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

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