ボスアーキテクトは、同社が運営するフリーランスエンジニアやデザイナーのための求人・案件サイト「エンジニアスタイル東京」に掲載されたデータをもとに集計した「2022年のフリーランスエンジニアの言語別、フレームワーク別、開発環境別、職種別の平均単価データ」を発表した。
本調査では、ボスアーキテクトが運営するフリーランスエンジニアやデザイナーのための求人・案件サイト「エンジニアスタイル東京」に掲載されたデータをもとに、フリーランスエンジニアの言語別、フレームワーク別、開発環境別、職種別の平均単価データの集計を行った。
2022年の言語別平均単価ランキングでは、Rust、Solidityが72万円でトップとなった。
Rustは2006年に開発がスタートしたオープンソースのプログラミング言語。処理速度が速いこと、並行処理が可能なこと、安全性が高いことが特徴で、Microsoftは2019年11月から、Windowsの開発にRustを採用している。また、Googleも2021年4月にAndroid OSの開発にRustを採用すると発表しており、世界的に注目が集まっている言語である。
また、Solidityはブロックチェーン上で実行されるスマート・コントラクトを記述するための言語で、Ethereumが開発している。ボスアーキテクトでは、2023年以降もブロックチェーン関連の開発のニーズが高まり、Solidityの単価が高い状態が継続していくと予想している。
フレームワーク別平均単価ランキングでは、トップはAmon2の77万円となった。Amon2は、少ないコードベースでWebアプリケーションフレームワークを実現し、学習コストの低さがポイント。また、専門家の意見も取り入れながらセキュリティ対策を整えており、安全性、安定性、高速性に優れたフレームワークとなっている。一方で案件数は数十件程度と少ない状態で推移しており、希少性と合わせて単価が高くなっている現状。Svelte、Beego、Revel、Gin、Echoなどのフレームワークも案件数は200件未満となっている。
また、上位にランクインしたフレームワークの中では、Flutterの人気が高い傾向が続いている。2022年11月には、995件の案件が公開されており、単価が高く、かつ人気も高いフレームワークだと言える。
FlutterはGoogleが開発した、モバイルアプリ開発のためのフレームワーク。近年では「モバイルアプリケーションフレームワーク」と呼ばれることもあり、モバイルアプリ開発の需要の高まりとともに注目されているフレームワークとなっている。iOSやAndroidなどのアプリケーションを、同じ開発言語、同じ開発環境で作成可能な点が特徴で、Windowsや、Mac、Linuxなどにも対応している。
職種別の平均単価ランキングでは、ITコンサルタント、AIエンジニアが72万円でトップとなった。
ITコンサルタントの単価が高い背景にはDXの注目の高まりがある。多くの企業がITを活用した業務効率化やコスト削減、新たなビジネス創出を目指す中、経営戦略に基づいてIT戦略を策定し、システム開発やシステムの最適化をしたいというニーズが高まっている。
また、AIエンジニアの単価が高い状態が継続している背景には、画像認識や音声認識、テキスト解析、予測のニーズが依然として高い状態がある。日本国内では、人口減少による労働力不足が課題化しており、需要予測による人員の最適化や、画像認識などによる人間の業務の代替のニーズが高い状態となっている。
- 関連リンク
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です