ペネトレーションテストやセキュリティリサーチ、コンピュータフォレンジックといった情報セキュリティ用途向けに開発されている、DebianベースのLinuxディストリビューションであるKali Linuxの開発チームは、最新バージョンとなる「Kali Linux 2023.1」を、3月13日(現地時間)にリリースした。
「Kali Linux 2023.1」では、エンタープライズレベルのセキュリティを、誰もが利用可能にすることを目指す「Kali Purple」の、最初のテクニカルプレビューが含まれている。「Kali Purple」には、セキュリティ知識を充実させるためのリファレンスや、防御ツール、攻撃スクリプトビルダ/自動化攻撃用フレームワークなど、非常に多くのセキュリティ関連リソースが収録される。
また、Debianに収録されているPythonのバージョンアップに合わせて、「Python 3.11」へのアップグレードが行われた。あわせて、PythonにおけるPIPの動作に関連する不具合に対処すべく、一時的なパッチが適用されている。なお、2023年の第4四半期に「Kali Linux 2023.4」がリリースされた際にはパッチが削除され、PIPがシステム全体のパッケージのインストールを拒否するため、aptかvenv、またはbreak-system-packagesを用いた対処が必要になるという。
さらに「Kali Linux 2021.2」以降、すべての年の最初のリリース(20xx.1)で行われているビジュアルテーマの更新が「Kali Linux 2023.1」でも行われており、今回はデスクトップ、ログイン、起動ディスプレイ用の新たな壁紙が含まれるほか、すべてのテーマの新たなバリアントとともに、「Kali Purple」フレーバーが追加された。「Kali Purple」はデフォルトでホワイトモードを使用するが、好みに応じてダークパープルテーマへの変更も可能となっている。「Kali Purple」フレーバーでは、新たなパープルテーマとアイコンを使用して、KDE Plasma、GNOME Shell、Xfceといった主要なデスクトップを利用できる。
そのほか、Xfce、KDE、GNOMEの最新バージョンへの更新、カーネルのデフォルト値の一部変更など、さまざまな機能追加・改善が行われている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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