オラクルは、「Oracle Database 23c」の無料版「Oracle Database 23c Free—Developer Release」を4月4日に発表した。
「Oracle Database 23c Free-Developer Release」は、Docker Image、VirtualBox VM、Linux RPMのインストール・ファイルとして、ユーザー・アカウントやログインの必要なくダウンロードすることができる。Windows版も近日中に提供開始を予定している。
同サービスの特徴は、以下の通り。
- JSON Relational Duality(JSONとリレーショナルの二面性):開発者は、リレーショナルとJSONのどちらからでも、信頼できる唯一の情報源(SSOT)にアクセスするアプリケーションを簡単に構築でき、リレーショナル・モデルとドキュメント・モデルの両方の長所を生かすことができる。データは一つのみ保管され、どちらのアプローチでもアクセス、書き込み、変更が可能。開発者は、ACID準拠のトランザクションや同時実行性の制御など、JSONとリレーショナル・モデルの両方の長所を享受できるため、複雑なオブジェクトとリレーションのマッピングやデータの不整合といったトレードオフを気にする必要がなくなる。
- JavaScriptストアド・プロシージャ(GraalVM使用): Oracle DatabaseにJavaScriptストアド・プロシージャを記述したり、既存のJavaScriptライブラリをロードしたりすることで、ネットワークを介さず データに最も近いところでJavaScriptコードを実行できるようになった。JavaScriptコードがサポートされることで、既存のビジネス・ロジックをそのままデータ層で再利用したり、JavaScript開発者がスキルを活かすことができたりするため、開発者の生産性を向上させることが可能。JavaScriptコードの呼び出しは、SQLやPL/SQLと混在させることができ、ポリグロット・プログラミング言語がサポートされる。
- JSONスキーマ:データベース側で、業界標準のJSONスキーマを使用してJSONドキュメント構造の保証や検証がされるため、開発者はJSONデータ形式を安心して使用できるようになる。
- オペレーショナル・プロパティ・グラフ:開発者は、SQL標準のプロパティ・グラフ問い合せサポートを使用して、Oracle Databaseでトランザクションと分析の両方を同時にサポートするプロパティ・グラフ・アプリケーションを構築できるようになった。リレーショナル・データとJSONデータの両方でグラフ分析を実行することができる。
- Oracle Kafka APIs:Kafkaアプリケーションが、最小限のコード変更でOracle DatabaseのTransactional Event Queuesを利用できるようになった。単一のアトミック・トランザクションでイベント操作とデータベース変更を実行するトランザクション・イベントを組むことで、より堅牢なマイクロサービスを実現できる。
- SQLドメイン:新しいドメイン・コンストラクタは、軽量な修飾子として用途別データをドキュメント指向で一括定義する機能で、SQL標準ドメインを拡張してより柔軟に扱うことができる。開発者は、データがどのように利用されているかをより把握しやすくなり、データ全体の品質向上が可能になる。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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